スイートプリキュア 第22話
2014年12月27日に放送された、スイートプリキュア22話の感想です。
↓続きからどうぞ
※楽観と疑惑
冒頭は曇り空の中を歩く響、奏そしてハミィ。前回セイレーンがプリキュアに変身
したのを、ハミィは上機嫌で歩きながら喜んでいた。黒猫のセイレーンが光と共に
プリキュアへ変身して、バスドラの魔の手からハミィを一瞬で取り返した、あの
奇跡をハミィは思い返しながら、セイレーンが一緒ならば音符がすぐに集まるし
音符が揃ったらセイレーンと一緒に幸せのメロディを歌って世界は平和、万々歳だと
楽観的な様子のハミィ。しかし一緒に歩いていた奏は、ハミィの話を聞いて、そんな
トントン拍子に事が進むとは思えない、と冷静に突っ込む。それを聞いてハミィが
不思議そうな顔をしていると、今度は響が、昨日まで敵だったセイレーンが、急に
味方になると言われても納得出来ないと語り、奏も変身したセイレーンの胸元に
キュアモジューレが無かった点を挙げて、もしかしたらプリキュアに変身と
見せかけたセイレーンの罠ではないかと疑っていた。ハミィはそれに対しセイレーンは
自分を助けてくれた、その光景を2人も見ていたじゃないかと真っ向から反論する。
セイレーンを疑う2人と反論するハミィ
※本当にプリキュアなのか
ハミィの反論に奏が戸惑っていると、ハミィは話を続けて、ハーモニーパワーが
あれば人間も妖精も皆友達で、話せば分かるのだと力説。しかしその話すべき
セイレーンがどこかに消えたではないかと奏が言うと、ハミィはその身を翻し
セイレーンを探しに行くと言い出して、どこかへ去ってしまった。そして会話が
終わると同時にポツポツと雨が降りだす・・ 所変わってマイナーランドに移動し
前回、全てが台無しになってしまったのをメフィストは憤り、セイレーンを恨む。
しかしメフィストは冷静になり、あのセイレーンが変身した姿は、本当にプリキュア
だったのかと1つの疑問が頭をもたげる。それはメイジャーランドのアフロディテも
同じで、ハートのト音記号が無かったのにプリキュアへ変身したセイレーンを見て
不思議に思い、一体何が起ころうとしているのかと不安になる。そしてみんなが
その行方を気にしているエレンは、前回に続き雨が降りしきる加音町を、下を向いて
全く覇気のない状態でトボトボと歩き、何故自分がプリキュアになったのか困惑していた。
この状況が一番分からないのは、当の本人だった
※操り人形の過去
雨脚が強まり、大雨が辛くなってきたエレンは、雨宿りの為に公園の遊具にある
隙間へ入り身を屈める。傍から見ればエレンは、まるで捨てられた子猫のようだ。
すると、自分がメフィストに洗脳されてきた過去がフラッシュバックして、頭の中に残った
ノイズに苦しむエレン。結局ー 自分は洗脳で操られていたに過ぎなかった。しかし
操られたのは、他ならぬ自分の心が弱かったからだと、エレンは我が身を自省する。
そんなエレンの独り言が、偶然通りかかった奏太とアコ聞こえて発見されてしまう。
奏太はエレンの事を知らないが、服が雨で濡れている事・顔色が良くない事・この
ままでは風邪をひく事を挙げて心配する。しかしエレンは奏太の事を知っている。
それは6話で、悲しんでいた奏太を利用し、徹底的に苦しめた記憶がエレンにはあった。
エレンを心配する奏太と、それを真剣に見つめるアコ
※自分の罪
あれだけ自分が苦しめた奏太、しかし奏太は、今の自分を心配してくれている。
そんな状況に堪えられなくなったエレンは、またもや降りしきる雨の中に飛び出し
何も言わずその場から走り去った。奏太は大声で呼び止めようとするが効果は無く
隣に居たアコは、一切何も語らず驚くほどに真剣な表情でエレンの行方を見ていた。
傘もささず大雨の中を必死で走るエレンを、町の人達は不思議そうな顔で眺める。
そして町の人達の顔を見ると、エレンはまたもや自分が、加音町の人々を苦しめて
来た過去がフラッシュバックする。ひとまず路地裏に入り、エレンはセイレーンに戻れと
念じる。 しかし・・・セイレーンに戻れない?! 全く変化してない身体を見て
エレンは困惑、それならばと近く居た女性を見て、彼女に変身しようと試みる。
あの人もこの人、自分が苦しめてきた‥
※戻れない現実
しかし念じては見るものの、こちらも全く変化はなく、なぜ変身できなくなったのか
狼狽え始めるエレン。すると頭の中に前回の出来事が蘇る、それはハミィを助けたい
一心で絶叫した時に、首飾りが内側から発せられた強い光によって砕け散った事を。
自分の胸元に、首飾りが無くなった事実にようやく気づいたエレンは、もう変身する
事は出来ず、猫に戻ることも出来ず・・人間体のエレンとして生きていくしかない
現実に衝撃を受け、その場に崩れ落ちて、これからどうすればいいのか途方に暮れる
プリキュアになった代償として変身能力を失ったエレン
※醜いリーダー争い
その頃マイナーランドのメフィストは、セイレーンに向かって通信を繋げようと
してみるも、全く応答が無く、悪のノイズから目覚めてしまったのかと落胆する。
すると通信用の鏡にうっすらと何かが浮かび上がり、それをセイレーンと思った
メフィストは一瞬喜ぶ。しかし鏡に映しだされたのはセイレーンではなく
トリオザマイナーであった。バスドラが自分達であるのを伝えるとメフィストは
またもや落胆し、セイレーンの居場所を聞き出す。しかしバスドラは、そんな事
どうでもよいという感じで知らないと返し、これで自分がリーダーですよね と
メフィストに問いかける。だが同じくリーダーの座を狙っていたバリトンは、顔の
良さで自分がリーダーだと主張し、ファルセットも一番高音を出せる自分こそが
リーダーだと、醜いリーダー争いを繰り広げるトリオ。しかしメフィストはそんな
トリオの争いを無視して、セイレーンを探しだして来い!と命令を下す。
俺が、私が、僕がリーダーだ!
※歌姫は必要不可欠
しかしバスドラは、セイレーンが居なくてもどうでもいいではないですか、と反論。
だが、メフィストはこれを一喝し、不幸のメロディを歌うのに、歌姫が居なければ
大問題だと怒る。歌と聞いてバリトンとファルセットは自分達が歌います!と主張するが
お前達が歌うなど100年早い!と烈火の如く怒りだしたメフィスト。するとバスドラは
良い作戦があると話を変え、ひとまず自分をリーダーにして下さいと懇願。メフィストは
適当な相づちを打ってバスドラのリーダーを了承し、早く作戦を教えろと急かす。
メフィストの怒号に震え上がるトリオ
※思い立ったが吉日
ここで場面は変わってラッキースプーンのお店。今日は雨なのでテラスではなく
店の中にてケーキをご馳走になる響。苺のカップケーキは大好物だと響が喜ぶと
奏は、ハミィも大好物だと語る。しかしそのハミィはセイレーンを探しに行って
まだ帰ってこない。2人はその事を思い返して複雑な心境になる。ハミィが気になって
しょうがない響は、席を急に立ちハミィとセイレーンを探しに行くと言い出した。
しかし奏が、セイレーンに会って何を言うのかと質問すると、何も考えてなかった
響は答えに詰まり、散々悩んだ挙句「その時考える!」という結論に達する。
それを聞いた奏は、毎度の事ながら響の行き当たりばったりな性格に呆れてしまう。
そして思いついたら即行動とばかりに響は走りだし、遅れた奏は後を追いかける。
考えるより動くのが早い響
※変わりゆくエレン
その頃、エレンは大雨に打たれながら、帰る場所も行く場所も無い現状に絶望し
これから一体どうすればいいのかと悩み続ける。すると近くから聞き覚えのある
パイプオルガンの音色が流れてきた、ふと横を見れば、調べの館に来ていたエレン。
そしてエレンは直ぐに耳を両手で塞ぐ、それは幸せな音色を聴くと、苦しみ悶えて
しまうからである。だが、それは今までの話・・・パイプオルガンの音色を聞いても
もうエレンは、頭痛に悩まされなくなっており、自分の大きな変化に驚くエレン。
音色に誘われたエレンは、そのまま調べの館に入り、パイプオルガンを演奏して
いる音吉さんを遠くから眺め、聴き入る。これほど美しい音色なのに、何故今まで
嫌っていたのか考えこむエレン。すると音吉さんは急に演奏を辞めて、声を上げた。
幸せな音色を聞いても苦しまなくなったエレン
※ハートビート(1)
「そんな所に居ないで、出てきたらどうかね」 それを聞いたエレンはハッと我に返り
身を隠す。しかし音吉さんは「もっと近くで聞けばいい、前の方がよく聞こえる」と
続けて語り、観念したエレンは、遂に音吉さんの前に、その姿を現した。 そして
幸せな音楽を聴く資格が自分には無いと卑下するエレン。しかし音吉さんは、音楽を
楽しむのに資格は必要ないと返す。だがエレンは、自分は音楽を使って酷い事をして
きた、だから美しい音楽を楽しむなど許されるべき事ではないと感情的に反論する。
すると音吉さんは話を変え、自分の胸に手を当ててみてはと勧める。言われた通り
エレンは自分の胸に手を当てると、心臓の鼓動をハッキリと感じ取ることが出来た。
音吉さんは、エレンの鼓動を聞き取り、なかなか良い音楽だと面白い評価をする。
鼓動が音楽だなんて、初めて聞いた考えに驚くエレン。しかし何故、離れた場所に
いる音吉さんに自分の鼓動が聞こえるのか不思議に思い、その事を問いかける。
自分の鼓動を感じ取るエレン
※ハートビート(2)
音吉さんは、誰の心にも音楽があり、メロディを響かせリズムを奏で、ビートを
刻んでいると力説。続けて、迷い悩んで居る時は、自分のビートに従うのが良いと
忠告する音吉さん。その言葉にエレンは何かを感じ取ったが、何も語らず身を翻す。
去ろうとするエレンを見て音吉さんは、「また来るがよい、音楽は誰も拒まない
からなぁ」と優しい言葉を掛けたが、エレンは足早に調べの館から去っていった。
そして外に出てみれば、あれだけ激しかった雨もすっかり止んで、青空が戻っていた
エレンは再度、胸に手を当て音吉さんから言われた「心のビート」をポツリとつぶやく。
そしてふと前を振り向くと、いきなり目の前から、満面の笑みのハミィが現れて
エレン(ハミィはセイレーンと呼ぶ)の顔面に思いっきり覆いかぶさって来たではないか。
セイレーンとの再会に興奮するハミィ
※再会、そして・・
ハミィはエレンを必死で探していたので、やっと再会出来た喜びからエレンの顔面を
離れようとしない。だが呼吸が苦しくなったエレンはハミィを顔から引き離した。
エレンはハミィに窒息させる気かと怒るが、嬉しくてついやってしまったと笑顔で
語るハミィに、エレンは何も言えなくなってしまった。ひとまずハミィを地面に
下ろすと、ハミィは急に、一緒に自分の所に来て、響や奏と話そうと提案する。
しかしエレンは
「何を話せって言うの? 今まで私がどれだけの人達を悲しませてきたか・・・
みんなで思い出話でもするわけ?!」 と感情的になってしまう。
だがハミィが出した答えは「セイレーンの歓迎会をする」という呑気なものだった。
その話に先週、あれだけ酷い目に遭わされた、フェアリートーン達も一緒に喜んでいる。
真剣に悩むエレン と どこまでも脳天気なハミィ
※噛み合わない会話
天然のハミィにエレンは、今まで自分がどれだけ人を苦しめてきたか、そして
ハミィも自分の罠に散々苦しめられてきた1匹ではないかと、両手を振って訴える。
しかしハミィは少々悩んだ後、「忘れたニャ」と笑顔で呑気に返事するのであった。
それでもエレンは、自分が今まで犯した罪を全部覚えており、自分は大勢の人達を
傷つけ、泣かせ、不幸にしてきた存在なのだと辛そうに語る。だがハミィは、これ
からは悪いセイレーンではなく、みんなを守るプリキュアだと簡単に言ってくれる。
ハミィと話しても埒が明かないと思ったエレンは、自分にはプリキュアになる資格は
全く無いと言いながら、どこかへ走りだしてしまった。ハミィは、また逃げられて
しまったエレンを追いかける為、フェアリートーンと一緒に後を付いて行く。
罪悪感に苦しむエレン
※風と樹々の歌
またもや逃げてしまったエレンだが、ハミィが必死に追いかけるので、逃げるのを
諦めて普通に歩き出す。するとフェアリートーンのラリーが、エレンに話しかけて
一緒に歌おうと誘い始める。そこをソリーが割って入り、まずは自己紹介が先だと
注意した。そしてソリーとラリーはエレンに紹介する・・がエレンは特に何も
反応しない。暫く歩いていると、素敵な風が吹いてきたから歌おうと提案するハミィ。
フェアリートーンはその誘いに乗り、ハミィと一緒に、ヒュルル~♪ヒュルル~♪と口ずさむ。
それに呼応したか分からないが、樹々が風でざわめくと、今度はザワワ~♪ザワワ~♪と
歌い始めるハミィ達。そして歌いながらフェアリートーンとハミィはエレンの前に
立ち、一緒に歌うことを勧める。するとエレンは特に抵抗もせず、ハミィ達と歌い始めた。
自然の音もハミィには立派な音楽
※怒るハミィ
エレンも一緒になって、ザワワ~♪ザワワ~♪と口ずさみ始めると、不思議な事が起きた。
歌うと同時に、エレンの胸元が静かに光り始めたのだ。しかしどういう訳か、この
現象はハミィには見えたが、エレンには何故か見えなかった。呆気にとられたハミィを
見て、エレンはどうしたのかと尋ねるが、何でも無いとトボけるハミィ。すると真横の
樹に音符が1つ付いているのを発見。それを見てハミィはエレンに、音符が全部集まった
ら、一緒に幸せのメロディを歌おうと、今まで事ある毎に語ってきたハミィの夢を話す。
その言葉を聞いたエレンは複雑な表情になり、腰を屈めてハミィと顔を近づける。
エレンは、自分が今までハミィに酷い事をしてきたのに、どうして怒らないのかと
問いかける。だが、ハミィにはエレンの言わんとする事が良く分からず、ついつい
「怒られたいのかニャ?」と天然ボケをかます。それを聞いてエレンは、怒られて当然
の事をしてきたじゃないと声を荒らげる。するとハミィは頬を膨らませ、とっても可愛い
声で「こらニャ!」とわざとらしく怒り、これでおしまいと片付けた。
怒ったフリをするハミィ
エレンが歌うと胸元が光り始めた
※耳を澄ませば
ハミィの過去を引きずらない、前向きな態度にエレンが呆然としていると、一緒に
歌う事を誘うハミィ。すると風にざわめく樹々を見て、風も樹もセイレーンと一緒に
歌いたいのだろうとハミィは言う。そしてハミィはエレンに、耳を澄ませれば風と
樹の声が聞こえると語り、言われた通りにエレンは、目を閉じて耳を澄ませてみた。
しかし聞こえてきたのは風と樹の声・・ではなく、誰かの腹が鳴る音であったw
エレンが驚いて横を向くと、そこには樹に隠れたつもりが全く隠れていない響と奏が
おり。腹の音を抑えろと怒る奏に、そんな事出来るわけないと言い返す響。2人に
気づいてハミィが近寄ると、2人はすっとぼけた感じで樹から出てくる。響はケーキを
食べずに来たので、腹が減ったと語り、セイレーンも一緒に食べないかと誘ってみた。
2人で1本の樹に隠れようとするあたりが微笑ましい
※複雑な気持ち
しかしエレンは表情が暗くなり、もう「セイレーン」という名前で呼んで欲しくない
と話す。それを響が謝ると、今度は奏が自分の店でカップケーキを食べないかと誘い
響もそれに同調して、今度は「エレン」と言い直すのであった。エレンはどうして
ケーキを食べる必要があるのかと、不思議な表情で眺めていると、何をするにしても
空腹では元気が出ない、歌うのであれば尚更だと力説する響・奏。そして足元に居る
ハミィもニコニコしながら、セイレーンも一緒にカップケーキを食べようと誘うのであった。
カップケーキを食べよう(提案)
※自然破壊
ほのぼのとした雰囲気が場を包んだかと思い聞きや、いきなり樹の枝にバスドラが
飛び降りてきて「お楽しみはそこまでだ~♪」と叫ぶ。続けてバリトンとファルセットも
現れ、「おやつは中止~♪」「ざ~んね~ん♪(高音)」と、口々に喋り始めるトリオ。
するとバスドラは視線をエレンに向け、ニタリと笑った後に、今度から自分が正式な
リーダーになった事を宣言する。しかしハミィは、身体の重いバスドラが樹の枝を
揺らし、枝が折れそうになったのを見て、乱暴に樹を扱われると、樹の歌が台無しに
なると哀願する。しかしバスドラは樹の歌なぞ耳障りと言ってのけ、何の躊躇いも
無く、樹の枝をへし折るという暴挙に出る。更にそのへし折った枝をハミィの元に
投げつける心ないバスドラ。この暴挙を見て、響と奏は大いに怒るのであった。
樹の枝をハミィに投げつけたバスドラ
※見えない魔の手
しかし怒る2人をバスドラは鼻で笑い、樹に付いていた音符を使って、樹のネガトーン
を作り上げる。そして、盛大に暴れて破壊の音を響かせよと命令するバスドラ。
響と奏は、命ある樹を傷つけ弄び、自然の音楽を台無しにしたバスドラに憤り
キュアメロディ・キュアリズムへと変身した。樹のネガトーンは2人に対し両枝を
振って鋭い葉をまき散らすが、2人ともギリギリまで引きつけて、これを回避する。
だが後ろで観戦しているエレンは、どうしたら良いのか分からず目を背けてしまう。
メロディとリズムは攻撃を交わしつつ、同時攻撃をしようと提案。そして同時に
ジャンプしようと思ったが・・樹のネガトーンが戦闘前に埋め込んでいた「樹の根」
が地中から現れ、メロディを両足を絡め取り、締め付けた。メロディのピンチを見て
リズムが驚いていると、リズムも樹の根に身体ごと締め付けられ、2人共いきなり
身動きが取れなくなってしまう。2人のピンチにハミィが焦り、うろたえていると
いきなり背後から出てきた網に、ハミィは捕らえられてしまった。
敷設された罠に嵌ったメロディとリズム
※卑劣な取引
ハミィが急に捕らえられたのを見て、エレンが後ろを振り返るとバスドラがハミィを
網で釣り上げていた。するとバスドラはエレンに、ハミィを返して欲しければ
マイナーランドに戻り、不幸のメロディを歌う歌姫に戻れと脅迫する。
その脅迫に困惑し、立ちすくむエレン。その近くではいつの間にか居たキュアミューズが
事の成り行きを静かに見下ろしていた。続けてバスドラは、もしマイナーランドに
戻ってもリーダーは俺様で、お前はただ不幸のメロディを歌うだけの歌姫だからな
と付け加え、どこまでも権力欲旺盛なバスドラであった。回答を迫るトリオに
エレンは暫く考えた後、自分が歌姫に戻ればハミィを返すのかもう一度確認する。
バスドラは返すと言うが、ハミィは脅迫に屈してはダメだとエレンに訴えかけた。
返して欲しくばマイナーランドに戻れ!
※過去との決別
バスドラは、喋るハミィの口を塞ぎ、不幸のメロディを歌うのだと脅迫し続ける。
だが、エレンの出した結論は「歌わない」というものだった。バスドラはその返答に
怒り出し、ハミィという友達がどうなっても良いのかと怒鳴る。しかし、友達だから
悲しませたくは無いし、不幸のメロディを歌ってしまえばハミィも不幸になって
しまう、そしてハミィにはいつも楽しく歌って欲しいとエレンは反論し、遂に
マイナーランドとの決別を堂々と宣言した。そのハッキリとしたエレンの心意気に
メロティもリズムも、そしてハミィも目を輝かせ、静かに喜ぶ。そしてエレンは
ハミィを取り返そうとバスドラに突進するが、あえなく叩き返され地面に倒れる
エレン。激怒したバスドラは、ハミィに向けて鉄拳を下そうと腕を振り上げる。
エレンの優しさに感動するハミィ
※正真正銘のプリキュア
しかしエレンは咄嗟に起き上がり、バスドラの振りかざした右手を両手で抑え付けた。
そして、自分がどうなってもハミィを傷つけたら絶対に許せないとエレンは憤る。
するとまた、エレンの胸元が強く輝き始め、その中からプリキュアの印である
ハートのト音記号が浮かび上がり、遂にエレンがプリキュアである事が証明
される。更にト音記号からキュアモジューレが産み出され、モジューレは
エレンの両手へ静かに収まった。ここでハミィはラリーを召喚し、遂にエレンは変身する。
キュアモジューレはプリキュアの証
※その名はキュアビート
ラリーは召喚されるとモジューレとドッキングし、エレンのレッツプレイ
プリキュアモジュレーションの掛け声と共に、ト音記号が中からあらわれた。
そこから身体中を青い布が巻きつき、ポニーテールの付け根にハートのアクセサリが登場。
その後、ひと通り変身すると両手にギターのようなものを持ち、右手を振ると
ギターの音色が響き渡る。そして左腕を上げながら、エレンは高らかに宣言した。
「爪弾くは魂の調べ キュアビート!」
メロディ・リズムと違い、単独で変身が可能なキュアビート
※高速ビート
遂に自らキュアビートと名乗り上げ、変身した姿を見てメロディ・リズムはもちろん
異世界から見ていたメフィストもアフロディテも、驚きを隠せない。特にアフロディテは
本当にプリキュアだったのを大いに喜ぶのであった。だがバスドラは、プリキュアに
なろうが、人質(猫質)がこちらに居る限り、手出しは出来まいと余裕の表情だ。
だが前回同様にビートは、凄まじい速さでバスドラの前に現れたかと思うと、一気に
ハミィを救出し、安全な場所にハミィを移動した。ハミィはその事に瞳を潤わせて喜ぶ
そしてそのまま樹のネガトーンの前に飛び出て来たビート。バスドラは怒り狂い
ビートをやっつけろと命令を飛ばす。だが樹のネガトーンが鋭い葉をまき散らし
ても、圧倒的な速さで難なく回避するビート。リズムとメロディはその速さに驚愕する。
素早い動きでハミィを救出したビート
※罪を償う
ビートに翻弄され、怒り絶頂のバスドラは、両脇のバリトン・ファルセットの
首を締めながら、ビートを樹の根で縛り上げろと怒鳴り散らす。ネガトーンは樹の根
を何本も埋め込み、前後左右からビートに襲いかかるが、全て脅威の速度で回避する
ビート。更に樹の根同士を絡ませて、根の動きが止まったのを見計らい、本体へ
強襲。ハイキックにパンチ連打を高速で叩き込み、遂にネガトーンは地面に倒れた。
するとバスドラはビートに向かって、今まで散々不幸をまき散らしておきながら
プリキュアになって正義面をするなと喚き散らす。するとビートはバスドラの怒りに
同意し、自分の悪行は消せるものではなく、その事は自分が一番理解していると
話すビート。しかしもう誰も不幸にしたくはないし、大切な友達を守れるように
強くなりたい、自分の「心のビート」がそう願っているのだから、と真剣な表情で
語るビートであった。ビートが自分の本当の気持ちに従う姿を見て、メロディと
リズム、そしてハミィも心の底から喜びだす。
過去の罪は消せない・・でも!
※愛の弦楽器
するとビートはソリーを召喚し、指を鳴らすと大きな音符が現れて、それを手に
した。そして「つき鳴らせ、愛の魂!」とビートが叫ぶと、大きな音符はハートの
形をしたギターに変化、ビートはそのギターを掻き鳴らしながら楽器に命名する。
「ラブギターロッド!」
そのままもう一度ソリーを呼び出し、今度はソリーがラブギターロッドのヘッドに
ドッキングした。するとビートは「チェンジ!」と声を発し、ギターを持ち上げて
ハートのボディをヘッドの方へ移動し、これを「ソウルロッド」と命名。
そのギターを両手で、槍を持つように構えると、ソリーからエネルギーが増幅し
そこからトーンのリングを作り出すビート。そしてそのままリングを前に突き出し
ハートのボディの下にある引き金を、ビートが引くとリングは一気に発射された。
「プリキュア! ハートフルビートロック!」
※ビートの勝利
トーンのリングは、一気にネガトーンを包み込み、ビートはそのままギターで三拍子
取る。するとフィナーレの掛け声と共にネガトーンは大爆発を起こし、浄化に成功。
そしてネガトーンが元の樹に戻ると、メロディとリズムに絡みついた樹の根も消えたのだった。
更にハミィが音符浄化のアクションを起こし、悪に染まった音符は綺麗な音符に
早変わりし、ドリーに収納。ハミィはドリーを覗いて、もうすぐ幸せのメロディが
完成しそうな程に、音符が溜まってきたと喜ぶのであった(5回目)
フィナーレ!
※責任のなすりつけ合い
結局、バスドラのハミィを利用した脅迫作戦も、ネガトーンも失敗に終わった。
悔しがるバスドラと、不甲斐ないリーダーを恨めしそうに眺めるバリトンとファルセット。
するとバリトンは、自分がリーダーならこんなザマにはなっていないと憤慨。
バスドラはその言葉に怒り、バリトンを突き飛ばしながら、お前がリーダーだとして
一体どんな作戦があったのかと怒鳴り散らす。一触即発な2人を見て、ファルセット
が、こんな時には「アレ」をやりましょうと提案。すると3人は一斉に声を揃えて
「おぼえてろ~♪」と言いながら逃げ去っていった。
「アレ」とは声をそろえて逃げることw
※自分のせいで・・
戦闘後、バスドラ達が散らかしていった樹の枝を見て悲しそうな顔をするエレン。
響と奏はエレンに駆け寄って、キュアビートとして助けてもらった事を感謝する。
ハミィも大喜びして、これでエレンが仲間になると思ったが・・
自分のせいで、結果的に樹が傷ついてしまったとエレンは嘆き、またもや
どこかへ走りだしてしまった。ハミィはエレンを呼び止めようとするが
その言葉は届かず、またしてもエレンは1人どこかへ彷徨うのであった・・
落ち込むエレン
※あとがき
前回起こった奇跡の変身から、エレンはありとあらゆことが変化してしまいます。
メフィストに洗脳されたていた事に気づき、今までの様に変身できないどころか
本来の猫(セイレーン)に戻れなくなり、幸せそうな音楽を聞いても身体が
苦しまなくなるなど‥しかし本人はその変化についていけず、心が混乱したまま
町を無意味に彷徨ってしまいます。ふと立ち寄った調べの館で、エレンは音吉さんから
迷った時には自分の心に従うのが良いと忠告を受け、その場を後にする。
それからハミィと再会して、後を追ってきた響や奏とも遭遇するエレン。
しかしここでトリオにハミィを奪われ、エレンはハミィを守ろうと必死になる。
その純粋な気持ちがハートのトーン記号となって胸元から現れ、遂に自分から
キュアビートとしてプリキュアに変身するエレン。ハミィを救出した後は
専用武器であるラブギターロッドでネガトーンを倒し、これで仲間になるかと
思った響と奏だが、エレンはまたもや2人と距離を置いてどこかへ去ってゆく。
この回でひとつ思うのは、エレンは響と奏に「セイレーン」と呼ばれる事には
抵抗を感じ始めるのですが、ハミィにセイレーンと呼ばれるのは気にしていない
という点です。これはまぁ以前も書いた通り、ハミィの態度は一切変化しません
ので、セイレーンがどう変わろうと、ハミィにとっては「セイレーン」のまま
なのですね。だからエレンも諦めてるというか、ハミィにそう呼ばれるのは昔から
なので、大して気にも留めないといった所でしょうかね。
だから私が文章の中でセイレーンになったりエレンになったりするのは
ハミィ絡みかそうでないかで書き分けていますし、これからも続くと思います。
あ、あとバスドラもセイレーンのままで呼び続けますね・・
まぁ彼の場合は「セイレーン」ではなく、巻き舌で「スェイルェ~~ン」ですけどw
それでは23話で~ ノシ