スイートプリキュア 第36話
平成27年4月4日に放送された、スイートプリキュア36話の感想です。
↓続きからどうぞ
※正気と狂気
前回の終わりにキュアミューズの説得で、正気を取り戻しかけたメフィスト。
しかし何者かによってもう一度洗脳されてしまい、苦しみ悶えながら人間界を
後にする。それからどうにかしてマイナーランドに戻ったものの、頭の混乱は
一向に収まらず、玉座に座ってもなお激しい苦しみと幻覚がメフィストを襲う。
トリオはその様子を心配して眺めるが、何も手出し出来ず行方を見守るばかり。
そしてメフィストの脳裏には、暗い森の中を歩く自分の姿が映しだされるのであった‥
ネガトーンから人間に戻れたが、かなり衰弱しているメフィスト
※アコとその家族 Ⅰ
その頃、キュアミューズは変身を解いてアコに戻り、ドドリーと一緒に調べの館で
沈鬱な表情を浮かべていた。するとその光景を隠れてみていた響達は、アコが
キュアミューズで、更に父親がメフィストであった真実に未だ驚きを隠せないでいた。
しかしこんな風に見守っていてもしょうがないとハミィが話すと、響はその言葉に
納得し、アコを元気づけようと思い立ち、急いでアコの元へ走りだした。すると
アコは響の明るい声に元気づけられたのか、膝にハミィを寝かせながら、今まで
自分が隠していた事実を少しずつ語り始める。その昔、アコは父のメフィストと
母親と3人でメイジャーランドに暮らしていた‥ が、しかし何故メフィストが
メイジャーランドに居たのか意味が分からないと響が突っ込むと、アコは当然のように
「だってパパは、元々メイジャーランドの国王だったから」
と言ってのけて響と奏を驚かせる。それを聞いていたエレンは、ハミィもその
事実を知っていたのに、何故2人に言ってなかったのか問い詰めると、ハミィは
少し考えた後 「ごめんニャ!」と笑顔で返してすっとぼけるのであった。
聞けば聞くほど衝撃の事実が続く
※アコとその家族 Ⅱ
なんとメフィストは元メイジャーランドの国王! 次々と明かされる事実に
響と奏も驚きっぱなしである。しかしそうすると国王の嫁は当然ながら女王様で
その女王様というのは・・・! と、響が興奮気味にアコに問いかけると
急に調べの館の水面からアフロディテが映し出されて 「そう、私がアコの母です」
と、隠していた事実を響と奏に伝える。突然の登場に2人はビックリしたが、アコが
国王と女王の娘であるならば、そこから導かれる結論はもちろんは1つしかない。
「そう、お姫様よ」 隣に居たエレンはアコの代わりにそう答えたー
今まで普通の女の子だと思っていたアコがお姫様だったとは・・2人はそう思い
ながらアコを見つめると、アコは「一応ね」と返し、照れくさそうに笑った。
次々と明るみになるアコの秘密
※律儀なエレン
するとエレンは急にモジモジと動き出し、席を立ったと思ったらアコに向けて
何故か深々と一礼をした。その行為に3人が呆然としていると、エレンは今まで
アコが「姫様」とは知らず、数々の無礼をしてしまった事を詫びるのであった。
エレンは続けて、メイジャーランドに居た頃の姫様(アコ)は綺麗な衣装を着て
今のように眼鏡も掛けてなかったので全く気付かなかったと弁明する。しかし
アコはエレンを咎めることはせず、そもそも正体がバレないように眼鏡を掛けて
いたのだから気づかないのは当然の事だとエレンを許した。それに自分は
メイジャーランドから逃げてきたと付け加えるアコ。それがどういう意味なのか
響と奏が気にしていると、水溜まりに映っているアフロディテが代わりに事情を話す。
変な所で礼儀正しいエレン
※壊された幸せ
昔の私達は、それはもう幸せに暮らしていた・・「あの日」が来るまでは と
喋り始めたアフロディテ。すると今度はアコが、パパが魔境の森(29話参照)に
行った事で全てが狂ってしまったと付け加える。何故メフィストが魔境の森に
立ち入ったかというと、メイジャーランドの宝であるヒーリングチェストを敵に
奪われてしまい、それを取り返そうと国王自ら危険を顧みずに森へ入ったのが
その理由であった。だが・・魔境の森から帰ってきたメフィストの手に肝心の
ヒーリングチェストは無かった。しかも彼の顔は、何故か酷くやつれて、人相も
悪人のように変わり果て、まるで別人に思えたと語るアコ。更にメフィストは
怯えるアコとアフロディテに向かって、世界を悲しみのどん底に突き落としてやると
言い始め、そのままメイジャーランドから去ったメフィストは、不思議な力でマイナーランドを
作り上げてしまう。そのせいで家族の仲は引き裂かれてしまったが、アフロディテは
国王不在の穴を埋める為、メイジャーランドを守る女王として、国に留まる決意をする。
魔境の森から帰ってきたメフィストは別人のように変わり果てていた
※関係を整理する
逆にアコは小さかった事もあり、おじいちゃんの元へ逃れてきた‥ が、その
おじいちゃんとは誰なのか響が気になっていると、4人の元に音吉さんが現れて
自分が祖父であると驚きの事実を告げ、別に隠すつもりはなかったと謝罪する。
そうなれば当然、アフロディテは音吉さんの娘という事になり、これでアコに
繋がる家族の関係が全て明らかになった‥が、急に沢山の事実を知らされた奏は
頭が混乱する。そこで響は一旦アコの関係を整理し、視聴者に分かりやすく説明した
アコの家系図
※誕生・キュアミューズ
そして音吉さんの元に逃れたアコであったが、第1話の大音楽会で、ご存知の通り
メフィストが伝説の楽譜を奪ってしまった。その様子を館の水溜りで見ていたアコは
このままでは父と母の対立が、決定的になってしまう事に激しく動揺していた。
自分がなんとかしなければいけないー! アコは焦りながらそう強く思うと
自分の身体に隠されていたハートのトーン記号が急に目覚め、アコの胸元に
キュアモジューレが現れる。更にフェアリートーンのドドリーも併せて登場し
アコのキュアモジューレと合体、気がつけばキュアミューズに変身していたのだ。
この説明からも分かる通り、実は響や奏より先に、アコがキュアミューズとして
一番最初に変身したプリキュアであった事が明らかとなった。
パパを守りたいー その想いがアコをキュアミューズに変身させた。
※素性を隠した理由
しかしキュアミューズに変身したのはいいが、実の父を敵にするのは精神的に辛く
また父を操る黒幕に正体を知られるのは避けたかった。そこでアコは仮面を被り
自分の想いはドドリーに代弁させて、自分は一切声を出さない作戦を取ってきたのだ。
だが当初は戦うつもりなど全く無かった・・が、メロディ達のピンチを黙って
見過ごすことが出来ず、時々手助けをしていたキュアミューズ。それに自分が
プリキュアとして戦い続ければ、いつか父が目を覚ましてくれるかもという淡い期待を
少なからず持っていたからだ。しかし結局メフィストは元に戻らなかった・・
その頃、マイナーランドで未だ悶え苦しんでいるメフィストは、自我を見失いつつも
自分が一体何を探していたのか、その答えに少しずつ辿り着こうとしていた。
素性を隠して生きることを自ら選んだアコ
※心震わすメロディの決意
アコの誤算は他にもあった。それはメロディ達がどんどん強くなっていった事だ。
敵のネガトーンが回を重ねる毎に強くなろうとも、メロディ達はそれ以上にパワーアップして
遂にはヒーリングチェストの力をも手に入れてしまった・・ 結局、それが理由で
前々回は、メフィストを庇う羽目になってしまったと辛そうに語るアコ。
それは勿論、父を守れるのは自分しか居なかったからと思い込んでいたからだ。
しかし、前回メロディの語った言葉が、自分の考えを大きく変えてくれた。
「プリキュアが何の為に戦っているのかー
私は、すべての人の幸せを守るためだと思う! メフィストを操る
悪の心と戦うことが、メフィストの幸せを守るという事なのよ!」
メロディの力説を真剣に聴き入るミューズ
※3人の励まし
それを屋根から聞いていたミューズは、父の幸せを守る為には自分も戦わなければ
ならないと強く決意し、前回の正体を明かすキッカケになったのだ。すると響は
アコの手に自分の手をそっと乗せて、アコの苦労と頑張りを褒め称えるのであった。
続けてエレンも、前回の出来事でメフィストにアコの気持ちは伝わったと褒め、奏も
メフィストは元の優しい父親に戻ってくれるはずだとアコを慰めた。そして最後に
響は、どんな悪の力でも「家族の愛」には敵わないと力強く語り、それを聞いた
アコは明るくなって笑顔を取り戻す。しかしここでアコは何かに気づいて、また
顔が暗くなったが、再度笑顔になり3人の意見に同意した。それを見ていた音吉さん
もアフロディテも、娘(孫)の大きな成長に思わず笑みが溢れるのであった。
3人の励ましで元気を取り戻したアコ
※幻覚の果てに落ちた絶望
その頃、幻覚から全く覚めないメフィストは、玉座を立ちフラフラと歩き始める。
そして目の前にある階段すら分からず、足を踏み外してその場に崩れ落ちる始末。
その間にもメフィストの見ていた幻覚は、寒々しい魔境の森を歩いていた自分の姿から
今度は青空の下で緑あふれる森の中を歩く姿へ移行する。歩いた先に辿り着いた
のは1本の巨大な樹・・その木陰から何かが出てくるのをメフィストは思い出そうと
している。自分の頭の奥にある、一番忘れてはならなかった大切な記憶が・・・
ここにあったはずだ、自分が忘れてはいけなかった記憶が・・
その記憶が正に蘇ろうとしたその時!メフィストに付いているヘッドフォンから悪のノイズが
強烈に響き渡り、余りの辛さに身悶えするメフィスト。すると今度はミューズは必ず自分が
倒すと叫び始め、哀れにもメフィストは、またネガトーンの姿に変わり果てたのだった。
あと一歩の所で狂気に侵されてしまったメフィスト
※アコの幸せの為に
完全な悪に染まったメフィストは、そのまま人間界に殴り込んで「出てこい
キュアミューズ!」と辺りに喚き散らす。その様子をメイジャーランドから
観察していたアフロディテは、夫の哀れな醜態に表情が暗くなってしまった。
そして現地に急いで駆けつけた響達にアコも音吉さんも同伴し、変わり果てた
父を呼んでみるアコ。しかしそれでも反応はなく、逆に憎悪の視線を向けられて
アコはたじろいでしまった。そんなアコの辛い心情を、響達はすぐに推し量って
アコの代わりに自分達が、メフィストを元に戻してみせると力強く伝える。
そして3人は響の主導の元にキュアメロディ・キュアリズム・キュアビートへと変身した。
アコの代わりに私達が!
※魔鳥
変身後、メロディはメフィストに向かって、愛する娘の為に優しい父親に戻って
と叫ぶが、メフィストはこれを拒絶して自分に娘など居ないと暴言を吐いた。横に居て
それを聞いていたアコは、父の非情な言葉にショックを受ける。その間にメフィストは
手から強烈なエネルギー弾を生み出してプリキュアに発射。3人はこれを回避しつつ
メロディは再度メフィストに、家族の絆を取り戻すよう訴えながら攻撃を続ける。
しかしメロディの攻撃はメフィストの掌で塞がれ、逆に強烈なパンチを喰らって
地面に叩きつけられたメロディ。するとメフィストは「家族・絆・娘」などは全て幻で
自分が世界を悲しみに染めると吠えながら、両肩から恐ろしい悪のエネルギーを湧き
起こす。そしてそこから現れたのは、見るも禍々しい2羽の「骸の鳥」であった。
メフィストを操る邪悪な鳥
※諦めはしない
正にこれがメフィストを操る恐ろしい悪の力であった。その姿を見たアコは
操られる父に涙してしまう。すると2羽の骸鳥は口からドス黒い炎を吐き出して
プリキュア達に攻撃。音吉さんはアコを物陰に退避させ、キュアビートは
ビートバリアを張って一時的に攻撃を防いだ。しかしこのままでは防戦一方で
いつかはやられてしまう、メフィストを守るには一体どうすればいいのか・・
ビートとリズムがそう悩んでいると、弱気にならず皆の気持ちを合わせようとメロディが
2人に奮起を促した。そして3人は一斉に手を上げてプリキュア・パッショナートハーモニーと
叫ぶと手の上からハートのトーン記号が出現、それをメフィストに向けて、3人は強烈な
ハーモニーパワーを発射した。
3人のハーモニーパワーはメフィストを浄化できるのか‥?
※メフィストの挑発
しかしメフィストはこの攻撃を両手で簡単に受け止め、巨大な悪の力の前では
ハーモニーパワーなど何の意味も無いと余裕の表情だ。更にプリキュア達が放った力を
悪に染めて、縄状に長くしたと思ったら、今度はそれをメロディ達に投げ返した。
まさかの反撃にメロディ達は逃げる間もなく、3人まとめて悪の力に縛られて
しまった。その姿を見てメフィストは高笑いし、自分の右手を少し動かすと3人を
縛った縄がより締まり始める。メロディ達はそれに耐え切れず悲痛な声を上げた。
そしてメフィストは3人を放置して、本来の目的であるミューズに向かって出てこいだの
怖気づいただの好き放題言いながら挑発する。建物の影に隠れていたアコは、もう
自分が変身して戦うしか無いと考えるが、モジューレを持つ手の震えが止まらない。
まとめてメフィストに捕えられてしまったメロディ達
※母の怒り
しかしもうアコは覚悟を決めるしか無く、ミューズに変身して戦おうと思ったその時
「あなた、もうやめて!」という聞き覚えのある声が、アコの耳に届いてきた。
ふと前を見れば、そこにはメイジャーランドから人間界に降りてきたアフロディテが
メフィストと対峙しているではないか。それと同時に3人を縛っていた縄も少し緩み
メロディ達の苦しみは幾分和らぐのであった。しかしアコは母の姿を目にして更に
動揺する。アフロディテは夫に「目を覚ましなさい!」と一喝するが、メフィストは
「俺は至って正気だ!」と反論。更にお前とも纏めて決着を付けてやると言い始め
二人の雰囲気は一気に険悪になり、一触即発の事態に発展しようとしていた。
しかしアコは両親の喧嘩を見るに忍びなく、2人の前に姿を現したと思ったら
喧嘩など見たく無いと涙ながらに叫びだす。そしてアコは父を守り、自分の為に
戦ってくれたメロディ達を守る為に、自分がプリキュアとなって戦う決意をする。
父だけではなく皆を守るー アコはプリキュアとして一番大切な気持ちに目覚めた。
※変身!キュアミューズ
アコがキュアモジューレを構えると、フェアリートーンのドドリーがモジューレと
合体。そして「レッツプレイ!プリキュアモジュレーション!」とアコは叫びながら
トーン記号を作り出す。するとモジューレの中からハートのトーン記号が出現して
沢山の黄色い布がアコを包む。そこから特徴的なフリルと球体のスカートなどが
衣装として作られ、髪も一気に伸びて、額にはハートのティアラが現れた。 そして
足を叩くと黄色のブーツが出現し、前回見たキュアミューズの姿がここに登場する。
そしてミューズは、ハープのようなものを奏ながら名乗り口上を挙げる。
「爪弾くは女神の調べ・キュアミューズ!」
※父娘の攻防戦
キュアミューズと対峙したメフィストは、待ってましたとばかりに見下して
高笑いを始める。ミューズは泣きそうになりながらも、目を覚まして欲しいと
訴えるが、お前を倒して世界を悲しみのどん底に落とすのだと暴言を吐くメフィスト。
その光景を後ろで見ていたアフロディテは心配になるが、隣に居た音吉さんは
お前が思っている以上にアコは強くなっていると諭し、娘の不安を和らげた。
そして遂に父親へ突進していったキュアミューズ。メフィストの地面をも砕く
強烈な拳を避けて隙を伺うも、今度は肩に付いている骸鳥から炎が噴出される。
ミューズはそれを回避しながら、空中で七色の鍵盤を作り、それを踏み台にして
地面に着地。その勢いでメフィストの顔に突進し、ミューズの拳は顔の直前まで迫った。
息を飲む激しい攻防戦
※割り切れない気持ち
あと一歩で勝負が決まるー だが、ミューズはその拳をギリギリの所で止めて
しまった。やはりどうしても父親を殴る事は出来ないのだろう、しかし娘の悲しい
顔を見たメフィストは、またもや幻覚で見た巨大な樹の光景が頭をよぎるのであった
ミューズがそのまま着地すると、メフィストは正気と狂気の狭間で苦しみ悶え始める
後ろで縛られていたメロディは、何故ミューズが攻撃を止めたのか声をかけるが
ミューズは、やっぱり父と戦ったり、傷付けることは出来ないと涙を流し始める。
メロディは、私達は相手を傷つけるのではなく、相手を守る為に戦っているのだと
説得する。だがミューズは、父が操られている事は頭で理解できても、目の前にいるのは
他ならぬ自分の父親だし、父の目を見たらどうしたらいいのか分からなくなって
しまったと訴える。更にミューズは、みんなに自分の気持ちなんか分からないのだと
ふてくされ、涙を流しながらメフィストと戦うことを諦めてしまった・・・
まだ幼いミューズにとって、父と戦うのは想像以上に辛い試練であった
※分からないから分かりたい
泣き続けるミューズに、メロディはハッキリと次の言葉を述べた。
「そうだよ、分からないよ」
そう言われたミューズは、泣くのを辞めて驚いた表情でメロディの方を見つめる。
メロディは続けて、私はミューズではないから、ミューズの気持ちを全て理解は
出来ない,しかし私は「ミューズの心」をもっと知りたくて、今はミューズの心に叫んで
いるのだと力説する。リズムもその言葉に同意し、自分達の関係を引き合いに出す。
私達(響と奏)は一杯喧嘩をしてきたが、それは相手を傷つけたいのが目的ではなく
「相手の心」を知りたかった故の行為で、相手の心がわからない場合は、大声で
相手に叫ぶ必要があると語る。隣にいるビートもそれに賛同し、悩んでいるミューズに
向かって自分の素直な気持ちを父親に、大声でぶつけるよう促すのであった。
相手の本心を知ろうと思えば、互いに衝突する事もある。
※想いを形に
ミューズは3人の励ましで元気を取り戻したが、その間にメフィストは苦しみから
抜けだして「臭い芝居は終わったか?」とミューズをコケにする。そしてメフィストは
両肩の鳥をミューズに仕向けて攻撃を再開。前後左右から襲いかかる骸の鳥と炎を
ミューズは空中で回避し、「家族の愛を思い出して!」と叫びながら迫り来る
骸の鳥に反撃する。ここでメフィストはミューズを殴りにかかったが、ミューズは
これを交わしてメフィストを腕を伝い、遂にもう1度父親の眼前まで迫ることが出来た。
そしてミューズは父親を前にして、自分の伝えたかった気持ちを大声で叫んだ。
「パパ!私、パパのこと大好きだよ! 私のパパに・・戻ってー!」
そしてミューズは叫ぶと同時に、メフィストのみぞおちに強烈な拳を叩き込んだ。
その一撃は凄まじく、攻撃と同時にまばゆい光がメフィストのみぞおちから溢れ出す。
だが‥それでもメフィストは攻撃に耐え、崩れた体勢を立てなおそうとしている。
“私の想いはパパに届いたのだろうか?”
キュアミューズは不安そうな顔をしながら、父の瞳を見つめ続けるのであった・・
※幸せの情景
ミューズの想いがこもった拳を、耐えたかに見せたメフィスト。
だが、ミューズの嘘偽り無い真剣な眼差しは、メフィストの忘れていた
「大切な記憶」を鮮明に蘇らせるのであった。
ー 清々しい青空、緑あふれる森の中、その中を歩くメフィスト
そして一本の巨大な樹が目の前に現れ、その影から出てきたのは‥
自分が一番愛してやまない大切な娘、アコの姿であった ー
それはとても懐かしい記憶・・・
メフィストは木陰からアコを見つけて大喜び、見つかったアコも父に飛びついて
微笑ましい空気が辺りを包む。それをいつも一緒に見ていたのは、アコと同じように
愛してやまない大切な妻・アフロディテ、そして義父の音吉さんであった。
メフィストは、メイジャーランドで家族と過ごした平和な日々を完全に思い出した。
そう、自分はマイナーランドではなく、メイジャーランドの国王であった事を。
そして、愛する娘のアコと、愛する妻のアフロディテの事を・・
メフィストは遂に思い出した、忘れていた記憶の全てを。
※メイジャーランドの王・メフィスト
何もかもを思い出したメフィストの巨体は、みるみるうちに小さくなっていく。
それと共に取り憑いていた邪悪な心も、綺麗さっぱり消えていった。そして
メフィストを苦しめ続けた悪のヘッドフォンも耳から外れ落ち、メフィストから
拘束されていたメロディ達も、ようやく束縛から開放されて自由になるのであった。
メフィストは完全に悪の心から抜け出し、等身大の姿をミューズの前に現した。
今にも泣きそうな、それでいて申し訳無さそうな顔を娘に見せたメフィスト。
そんな懐かしい父親の姿を見たミューズは、駆け足で父の胸元へと飛び込んだ。
そしてメフィストも愛娘をしっかり抱きしめながら、もう2度と何処へも行かず
決して悪いことはしないと約束するのであった。ミューズはその言葉に泣いて喜び
その姿を見ていたメロディやアフロディテ達は、みな一様にアコの幸せを喜ぶのであった。
父と娘 感動の再開
※ファルセット・ショック
その頃、自分達のボスが元の国王に戻り、呆然とするバスドラとバリトン。
しかし、ファルセットだけは特に驚く様子もなく、次のような言葉を口にした。
「遂に・・俺の出番か」
そう言い終わるとファルセットの顔に邪悪な仮面が装着され、肩には禍々しい
色をしたマントが現れる。そして彼の髪は一気に足元まで伸びて、あっという間に
ファルセットは別人のような姿に変わり果て、温和だった性格までも一変した。
急にその姿を豹変させたファルセット
※ N O I Z
ファルセットは親子の感動の再開に水を差すように
メフィストの近くにあったガラスに自分の姿を見せて、強い口調で警告を発した。
「メフィスト! お前はもう用済みだ・・
プリキュア! 我々は不幸のメロディを完成させて
【ノイズ様】を復活させる・・ 覚悟しておけ」
そう言い終わるとファルセットは一方的に通信を終了し、その姿をすぐに消した。
彼の復活させようとしているノイズとは‥? メフィストはその名前に覚えが
あるようで、人の心を一瞬で悪に染めるとても恐ろしいものだと固い表情で語った。
※これからの戦い
メフィストを操っていた真の敵 その名は「ノイズ」であったことが判明する。
しかもそんな敵が復活してしまったら、間違いなく世界は悲しみに包まれてしまう。
一体どうすればいいのか・・ メフィストは思わず下を向き、表情が暗くなった。
しかしメロディは「大丈夫!」と周りを元気づけて、どんなに強い敵が現れようと
私達プリキュアは絶対に負けはしないと力強く宣言する。そんなメロディの
揺るぎない決意にミューズも真剣な顔で頷き、これから激しさを増す敵の
攻撃に対して、最期まで戦い抜く覚悟を決めるのであった。
メロディの決意に元気づけられたキュアミューズ
※あとがき
ここ数話でミューズとその周辺に関する秘密が一気に明かされてきました。
これは当然ながら1つでも秘密を明かしてしまうと、そこから芋づる式に全ての
秘密がバレてしまうので、どうしても纏めて発表する他無かったと思われます。
それにしてもこのスイートプリキュアでは、争いをしていた関係を努力の末に
最高のパートナーへ昇華させる場面が良く見受けられます。序盤はもちろん
響と奏、序盤はあれほど喧嘩した2人も、今ではお互いの夢を支える親友へと変化。
中盤はセイレーンとハミィ。お互いメイジャーとマイナーの手下として対立
しつつも、ハミィの純粋な心で目が醒めたセイレーンは、キュアビートに変身して
ハミィを救出します。その後は紆余曲折ありつつも今ではすっかり仲良しさんです。
そして終盤(初期)は今回のメフィストとアフロディテ。魔境の森から戻ってきた
メフィストは悪に変貌し、妻のアフロディテは否応なしに争いに巻き込まれます。
そこから暫くは動きの無かった2人の関係は、大音楽会でメフィストが伝説の楽譜を
奪った事により一気に悪化。伝説の楽譜は仕方ないとしても音符だけはと考えた
アフロディテは、付いていた音符の全てを人間界にバラ撒くという荒業に出ます。
それからご承知の通り、お互いはプリキュアとトリオを介して、ばら撒かれた
音符を奪い合うという悲しい争いへと発展しました。しかし結果は娘のアコが
必死の想いでメフィストを元の父親に戻し、ようやく2人は元のおしどり夫婦へと
戻ることが出来たのです・・
さて終盤(初期)と書いたのは、まだ争いが収まっていない関係があるのです。
その未だに解決されない、争いの関係者とは・・
音吉「それは・・・またいずれな」
いや~申し訳ないw こればかりはまだ言うことが出来ませんので最後まで
楽しみに見ていて下さい。さて本放送の時にはこの回からOPで映画の宣伝が
始まりました。この映画は本編から外れたパラレルワールドのお話ではなく
映画のスタートが「アコがキュアミューズとしてプリキュアに加入した後」と
なっておりますので、映画も物語の1編として充分に見応えがあります!
もちろん私も当時は一人で映画館に・・ってこの話はちょっとヤメにしましょう。
個人的に映画に関してはDVDを買うか、借りるかして見て頂きたいと思います。
アコに対して怒っているこの少女は・・?
謎のイケメソ3人衆
明らかに様子のおかしいアフロディテ、一体何が・・?
それでは37話で~ ノシ