スイートプリキュア 第44話
2015年5月30日に放送された、スイートプリキュア44話の感想です。
↓続きからどうぞ
※Merry Christmas
前回、マイナーランドで響達はノイズにキュアモジューレのト音記号を渡してしまい、恐れていた
不幸のメロディが完成してしまった。それからどのようにして各々がそれぞれの世界に
戻ったのかは分からないが、冒頭はクリスマスの飾りに彩られた響家から始まる。
クリスマスだけあって家の飾りも豪華だが、家の中にあるプレゼントも沢山あって
これまた豪華である。これは久しぶりに家に戻ってきた母・マリアの粋な計らいであり
響の好きそうな物を買い続けていたら大量のプレゼントになってしまったと笑顔で語る。
更に父の団も明日のXmasパーティーは自分がご馳走を作ると大張り切り。だがその前に
Xmasコンサートの準備はどうなの?と妻から突かれると、そちらの方もバッチリだと喜ぶ父。
しかし盛り上がる両親とは対照的に、何故か響の顔は曇ってしまうのであった。
久しぶりの家族団欒
※幸せの光景
そんな娘の顔を知らずに母のマリアは、響がコンサートのスタッフ係になっている
ことを確認する。しかし響は作り笑顔でその件に関して奏と話してくると言いながら
家族団欒もそこそこに、気ぜわしく家から出て行くのであった。そして響が向かった
先は加音町の時計台付近。日は落ちて既に夜だが、アチコチにあるXmasの飾りが
幻想的な世界を作り出している。そしてその場所で下を向きながら誰かを待つ奏の
姿があり、気がつけば空からポツポツと、白い雪が辺り一面に降り注ぎ始めた。
その間に遅れてやって来た響は、降り始めた雪を眺めながら、雪の輝きと町の平和な
光景に思いを馳せ、それを奏に語りかける。奏は多少驚きつつも、加音町の人達が
Xmasを楽しむ姿を眺め、今度は自分が手に持っているモジューレに目線を動かした。
ト音記号を抜かれてしまったモジューレにいつもの輝きは全く無く、まるで抜け殻の
ように空虚な存在に成り下がってしまった。しかしなぜか、あれからノイズに動きは
無く、また完成した筈の不幸のメロディも一向に歌われる様子が無いのであった。
舞い降りる雪を眺める響と奏
※忘れていた希望
それから雪は深々と降り積もり、響達は調べの館に集まってこれからどうするかを
話し合っていた。奏はアコにハートのト音記号を取り戻す方法は無いのか尋ねたが
伝説の楽譜が完成し、敵の手にある現状を考えれば、取り返す術はない返答する。
それならノイズが迫って来たらどう戦えばいいのか・・? エレンはやけっぱちな
口調でアコに迫ると、明日はXmasだと言うのに何をそんなに暗い顔をしているかと
音吉さんが4人に声をかけてきた。しかしそんな事を言っている場合ではないと反論
するエレン、だが音吉さんは力強い声で、もう何も心配はいらないと語りかける。
4人は何を根拠にそう言っているのか音吉さんの方を向くと、音吉さんは満面の笑みで
修理し続けてきた、あの「パイプオルガン」がやっと完成したと4人に報告した。
パイプオルガンの修理が終わり笑顔で喜ぶ音吉さん
※大切な仲間達
するとヒーリングチェストの中からクレッシェンドトーンが現れて、このパイプオルガンは
聖なる音を発する特別なオルガンであり、全ての邪悪なものに対抗できると解説する。
だからもう大丈夫だとクレッシェンドトーンが語ると、それはつまりノイズに対抗できるのかと
奏は問いかけた。すると後ろから奏太の4人を呼ぶ声が・・4人が後ろを振り向くと
そこには奏太だけではなく、聖アリア学園の仲間達がズラリと並んでいるではないか。
彼らがやってきたのは、コンサートの準備が大変だろうから、響達を手伝おうという
親切心からである。するとその中の1人である西島和音は響に近づき、自分にも手伝
わせて欲しいと笑顔で語り、響の手を握った。更に聖歌先輩とスイーツ部の面々も
「みんなで一緒に頑張りましょう」と奏を励まし、響と奏はその気遣いに感動する。
コンサートの準備に駆けつけてくれた奏太と生徒たち
※コンサート当日
更に王子先輩率いる王子隊は、飾り付けは自分達に任せて欲しいと頼もしい言葉。
そう言われてエレンは少し照れてしまったが、毎年行われるこのコンサートは町の
人達も楽しみにしている、だからこそみんな手伝いを頼んだぞと音吉さんは依頼した。
その言葉に生徒たちが元気よく「ハイ!」と返事すると、落ち込んでいた響・奏
そしてエレンの3人は少し元気を取り戻すのであった。それから暫くして待望のXmasが
訪れ、コンサート会場である調べの館前には沢山の町民が長蛇の列を成していた。
その列をサンタの衣装に身を纏い、元気よく誘導をこなす響。 列の途中で屋台を
構え、並んでいる人々に手作りのお菓子を配る奏とスイーツ部の人々。更にその
反対側では、寒さに震える人々に、暖かいお茶を配るエレンの姿があった。
響だけではなく他の3人もサンタの衣装を着ています
※浮かないアコ
だが張り切る3人とは対照的に、何故か電灯に寄りかかって一人下を向いているアコ。
気にかかった響とエレンは、アコの元に駆け寄り、一体どうしたのかと尋ねてみる。
するとアコは、前回自らにダメージを与えて気を失ってしまった父・メフィストの
容態が心配な様子(ちなみにアフロディテもメフィストもメイジャーランドには戻っています)
更にいつノイズが襲ってくるかも分からず、とても笑える気持ちになれないと語った。
それを聞いた響は「そんな顔しないで」とアコを慰め、今はコンサートを成功させて
皆に喜んで貰い、幸せになって貰うのが先決だと説得する。そして遅れてやってきた
奏も、不幸のメロディを聞いても居ないのに暗い顔をするの良くないと指摘。エレンも
アコに、そのままでいることが正にノイズの思う壺だとそれぞれ意見するのであった。
落ち込むアコを励ます3人
※両親の眼差し
3人に励まされ少し元気になったアコ。それを見た響は、今私達にできることを精一杯
頑張って、一緒に前を向いて行こうと力説。仲間と支えあって生きていくことの大切さ
をアコは思い出し、笑顔を取り戻して3人に「ありがとう」と感謝するのであった。
そしてその光景を、館の窓から眺めている響の父と母の姿があり、逞しい娘の頑張り
には、両親も笑みが溢れっぱなしである。それ後、調べの館の客席は大勢の町民で
埋まり、ステージ横にいた響も、お客さんの多さに驚き、元気よく張り切るのであった。
そしてステージ横に隠れていた王子隊の面々にスタンバイの指示を送ると、全員響の
指示通り、しずしずとステージの方へ歩を進める。これで準備はOK・・と思った響
であったが、振り返れば肝心な父と母が、何故かその場から一歩も動こうとしない。
響の成長を暖かく見守る父と母
※親愛の情
不思議に思った響は、父と母に早くスタンバイするよう促した。すると急に母のマリア
は響を抱擁して、その2人を更に父の団が包み込み始めた。一体何をしているのだろう
と響が驚いていると、いつも頑張り屋さんの響にこれくらいしか出来なくて申し訳ない
と父親は呟いた。そして母親も「響を世界で一番愛している」と強く抱きしめながら
耳元で囁く。恐らく母は常日頃から響と一緒に過ごせないことに少なからず負い目を
感じていたのだろう。それは一緒に住んでいる父親も同じで、いつも近くに居るのだが
娘と顔を合わせる機会は乏しく、仕事が多忙ゆえにすれ違いが多かったと思われる。
それでも響は不平不満をこぼさず、優しい仲間達と共に逞しく成長し、1人の人間と
して強く自立していく姿が、ことのほか愛おしかったのではないだろうか。
響を優しく包み込む両親
※招かれざる客
そしてステージに立った響の父と母。客席から割れんばかりの拍手で迎えられ、その中
には聖歌先輩や奏の両親・奏太の姿も見受けられる。そしてスポットライトに当てら
れた王子先輩が、加音町年末恒例のクリスマスコンサート開会を宣言するのであった。
その姿を嬉しそうな顔で眺めていた響達・・しかし、いきなりホールに響き渡る
怪しげな笑い声‥ファルセットだ! 奴らが前回から暫く沈黙を守っていたのは
他でもなく、大人も子供も楽しみにしているXmasが訪れるのを待っていたのであった
ファルセットの声に気づいた響達と音吉さんが本人の姿を探すと、奴は堂々と客席の一番
後ろに立っていた。そして沢山の人間が楽しみにしているXmasをぶち壊すことで
不幸の度合いがいつも以上に増すことを、ファルセットは密かに知っていたのであった。
スポットライトを浴びて登場するファルセット
※音と音の攻防
そしてファルセットは自分からのプレゼントと称して、隠していた伝説の楽譜を
取り出し、誰もが恐れていた「不幸のメロディ」を急に歌い始めた! 今までと
違い音符が完全の揃った形で歌われた不幸のメロディ。その影響は凄まじく客席に
居た加音町の人々は直ぐさまその音に苦しみ、のた打ち回る。ここで音吉さんは
ファルセットの思うがままにさせまいと、完成したパイプオルガンを使って聖なる音色を奏で
始めた。こちらの威力も不幸のメロディに負けず劣らず、暖かな光が包み込んだと
思ったらあっという間にファルセットの歌声を掻き消すことに成功。その効果には
響達も驚き、ホッと一安心した・・その時!どこからともなくノイズが現れて
大きな叫び声を上げた瞬間、調べの館の天井が跡形もなく吹き飛んでしまった。
ファルセットの歌声とパイプオルガンの攻防
※完 全 復 活
激しい爆発の衝撃で倒れてしまった響達だったが、何とか必死で立ち上がろうとする。
だが、吹き飛ばされた館の上空を、飛び回るノイズに目を奪われてしまった響達。
ファルセットはパイプオルガンが止まったこの好機を見逃さず、再び不幸のメロディを
歌い始める。屋根が無いことで影響は加音町全域に及び、Xmasを楽しむ町の人々も
嘆き悲しみ、身体から不幸のエネルギーが溢れだす。そして上空を飛んでいたノイズは
そのエネルギーを一手に集め、伝説の楽譜からも邪悪に染まった全ての音符がノイズの
元へと吸い寄せられる。そして全部吸い終わるとノイズは今までより何十倍も大きく
翼と脚と尻尾を伸ばし、僅かながら可愛げのあった顔も一気に邪悪な顔へと変貌する。
それを見た響達は驚き、音吉さんもノイズが完全体なってしまったと衝撃を受けた。
恐れていたノイズの完全体、その正体は邪悪な大鳥であった。
※絶望の静寂(1)
今までギャアギャアと叫ぶだけであったノイズは、完全体と共に言葉を話すようになった。
「忌まわしい音楽、耳障りな鼓動‥消えろ、全て消えてしまえー!」
ノイズがそう叫ぶと身体から悪のエネルギーが放射され、またもや悶え苦しむ町の
人々、そして響達。このままではまずいと感じた音吉さんは、咄嗟にパイプオルガンを
鳴らし、防護壁を館全体に張り巡らそうとする。だがノイズのエネルギーは更に強く
守るのは自分を含め響達だけが精一杯になってしまう。そして恐るべき事に苦しんで
いた人々は苦悶の表情のまま、なんとそのまま石になってしまうのであった!更に
その範囲は加音町どころか、ノイズの邪悪なエネルギーは地球全体に及ぶのであった。
全人類に襲いかかったノイズの邪悪なエネルギー
※絶望の静寂(2)
石化の威力は加音町に留まらず、地球上の生物全てに襲いかかり、どこを見渡しても
苦しんだ挙句そのまま石化してしまった人々で溢れかえっていた。そして何の音も無く
静かになった加音町の上空に居たノイズは、心地良い静寂だと大笑いするのであった。
逆に人々をパイプオルガンで守れると思っていた音吉さんは、自分と響達だけしか守れ
なかった厳しい現実に悔しさを滲ませていた。そして響達が目を開けると、そこには
苦痛の表情のまま石化してしまった両親の痛々しい姿が・・ それは誰一人逃れられず
奏太も、聖歌先輩も、王子先輩も全て石化してしまった。すると音吉さんは席を立ち
アコ達しか守れなかった事を謝罪する。だがいつの間にかノイズは調べの館上空に
現れ、音吉さんとクレッシェンドトーンに今までの恨みつらみを呟くのであった。
ノイズの力で石化してしまった人々
※無音の世界
それを見た音吉さんが驚く暇もなく、ノイズはいきなり目から強烈な光線を撃ってきた
それに対し娘を守ろうと、音吉さんは咄嗟に隣に居たアコを突き飛ばす。そのおかげで
アコは難を逃れたが、肝心の音吉さんとクレッシェンドトーンは土煙に隠れて状況が分からない
調べの館の中に居たファルセットは「これぞ不幸のどん底」だと4人をあざ笑うが
ノイズはまだ足りない様子で、本当の目的は「世界から全ての音を消すこと」と語る。
そしてノイズが耳を澄ますと、まだ音が聞こえる場所があった‥それは勿論人間界では
なく、音楽の絶えない楽園の世界・・メイジャーランドだ。ノイズにしてみれば音楽は
耳障りで、この音楽を絶やさなければ、全ての音を絶やしたとは言えないと力説する。
それを聞いた響達は、ノイズの侵略がメイジャーランドにまで及ぶのかと危惧するのであった
音の無い世界を作りあげようとするノイズ
※ラストネガトーン
するとファルセットはノイズ様が復活した今、もはや伝説の楽譜は用済みだと空に
放り投げた。そしてノイズが楽譜に悪のエネルギーを注ぎ込むと、あっという間に
伝説の楽譜はネガトーンと化してしまった。楽譜までもネガトーンにするやり口に
響達は憤ったが、ノイズは空に怪しげな空間を作り出し、なんとそのまま全ての音を
消そうとメイジャーランドへワープしてしまう。それにはファルセットも追従を始めるが
このままではノイズに滅ぼされると思った響達は走って後を追いかける。だが4人の
前に楽譜のネガトーンが立ちはだかり、ページをめくる風圧で4人を吹き飛ばした。
ファルセットはその様子を眺めながら、響達を見下して「プリキュア諸君、永遠に
さようなら・・」と勝ち誇った態度でメイジャーランドへとワープするのであった。
スイートプリキュア最後のネガトーン「伝説の楽譜」
※楽譜の猛攻
メイジャーランドに向かったノイズのワープホールは閉じられてしまい、4人はその
光景を眺めていたが、ネガトーンは間髪入れずに4人に向けて音符の攻撃を開始。
流石にプリキュアではなく生身の人間がこれを耐えれるはずもなく、響達はそのまま
攻撃を受けてしまう。更にネガトーンは両手から禍々しいエネルギー弾を作り上げ
それを4人に向けて一気に投げつけてきた。もはやこれまで・・と思った響達の前に
ノイズの攻撃で倒れていた筈の音吉さんが咄嗟に現れ、手持ちのヒーリングチェストの鍵盤を
掻き鳴らし、大きなバリアを展開。その甲斐あってエネルギー弾は何とか打ち消せたが
ネガトーンは懲りずに、今度は自らの拳でバリアを叩き始めてきた。その威力は並みの
ネガトーンとは全く違い、憎しみに満ちた拳で4人を守るバリアは叩き破られてしまった。
ボロボロになりながらも4人を守ろうとする音吉さん
※憐憫の情
バリアが破られるとその衝撃で音吉さん達は後ろに倒れてしまったが、何故か響だけは
立ち止まり、ネガトーンに向かって「ごめんね‥伝説の楽譜」と謝り始めるのであった
そして響はネガトーンの前まで移動し、泣きそうな声で次のように語り始める。
「貴方は‥ずっと今まで幸せのメロディをみんなに届けてきたんだよね?
きっと誰よりも、皆を楽しませてきたんだよね・・? 音楽は、人を楽しませる
ものなのに・・ ごめんね‥ 私に力が無いばかりに! 貴方をこんな目に!」
楽譜ネガトーンにしてみれば、まさか自分をそんなに心配してくれるとは驚きであった。
その優しさに思わず心が清められかけたが、頭上にある骸の鳥からノイズのエネルギーが
注がれ、楽譜ネガトーンはまたもや邪悪な心に染まってしまう。そしてその拳が響に
向けられ、後ろの音吉さん達は一瞬驚いたが、何故かネガトーンの拳は響の手前でピタリと
止まった。そう、楽譜ネガトーンは気づいてしまったのだ、こんなにも自分を心配
してくれる人を殴れはしないと・・ どんなに憎しみを注がれても、もはやネガトーンに
響を攻撃しようという気力は一切無く、逆にその優しさに目から涙を流し始める。
土壇場で止まったネガトーンの拳
※あなたと私
伝説の楽譜にしてみれば、本当は幸せのメロディで人々を楽しませたいのに
ノイズ復活の為に不幸のメロディにされてしまい、更に用済みになったら今度は
ノイズにネガトーンにされ、どこまでも利用される立場に悔しさを募らせていたのだ。
それは響も同じで、いつも皆に助けられ、励まされ、元気を貰っていた・・なのに
そんな大切な人達を、ノイズの脅威から全く守れなかったことを悔やんでいた。
悔しさのあまり響の頬から大きな涙がこぼれ落ちるー
それでも、響は「このままで終わらせたくはない!」と大きな声で絶叫した。
その言葉を聞いて励まされた奏は、響と手を繋ぎ、まだ終わってはいないと真剣な
表情で呟く。そして奏の手をアコが握り、まだ出来ることがあるはずだと主張。
最後にエレンが響の右手を持ち、心のビートは止められないのだと3人を鼓舞した。
絶対に諦めないー それは4人の信念でもある
※覚醒、そして復活
そして4人はネガトーンと対峙して、私達の鼓動が刻まれる限り終わってはいないと
語る。だからこそ私達は、倒れる最後の最後まで絶対に諦めないと叫ぶのであった。
するとその鼓動に呼応するように、楽譜のネガトーンは光り輝き始め
急にページをパラパラとめくりだした。 そして音符1つ無い五線譜だけの楽譜から
神々しい4つの「新しいト音記号」が突如生み出されるのであったー
新たなト音記号が産み出されると、響達は全く慌てる素振りもせず、静かに手を
繋いでその場に立っていた。すると今度は響達の胸元から「ハートのト音記号」が
新たに湧き上がる。そしてそれは4人が持っている、もぬけの殻となったモジューレに
入り込み、キュアモジューレは息を吹き返したようにその輝きを取り戻すのであった。
まさに奇跡。 ハートのト音記号を奪われ、プリキュアに変身することも出来なく
なり、大切な人達は石に変えられ、ノイズは更にメイジャーランドを侵略しようと
している。そんな度重なる不幸と絶望にもめげず、最後の最後まで諦めようと
しなかった響。そして仲間達の強い気持ちが、新たなるハートのト音記号を生み
出すきっかけとなり、この奇跡を呼び起こしたのだ。そして4人は迷うこと無く
心機一転、キュアメロディ・キュアリズム・キュアビート・キュアミューズへと変身した。
新たなキュアモジューレと共に‥変身!
※ Legendary score
プリキュアの復活を喜ぶハミィの横で、クレッシェンドトーンは音吉さんに向けて
忘れていた大切なものを語り始める。音楽とは今あるものが全てではなく、新しく
生み出すことが出来るのを・・そして音吉さんもハートのト音記号は音楽の始まりを
意味しており、4人は新たなメロディを奏で始めたのだ‥と大いに喜ぶのであった。
プリキュアに戻れた姿を見て、楽譜のネガトーンは笑顔になりその復活を喜んだ。
しかし頭に付いている骸の鳥から再度、邪悪なエネルギーを注がれて苦しむネガトーン。
4人はそれを見て、いち早く楽譜を助けなければと気がついた。そしてヒーリングチェストを
使い、クレッシェンドトーンの力を借りて浄化に成功したメロディ達。それから落ちてきた
楽譜をハミィが急いで受け取り、遂にプリキュア達は「伝説の楽譜」を手に入れた。
最後のネガトーンでもある伝説の楽譜を浄化したプリキュア達
長らくマイナー側に奪われていた伝説の楽譜が今ここに戻った
※救出の条件
遂に伝説の楽譜を取り返したプリキュア達、そしてこちらにもハミィ&エレンという
幸せのメロディの歌い手がいるのだが‥残念ながら音符は1つもなく、このままでは
危機的な状況を打破できない・・が、音符を取り返せば必ず歌うことができるので
それまで大切に持っておこうと決めるのであった。そして戦闘後、4人は変身を
解除せず、プリキュアのままで音吉さんの指示通り、調べの館に居て石化した人々を
全員外に運び出す。そして最後の1体、自分の母・マリアを運び終わったメロディ・・
音吉さんは悔しそうな表情をしながらも、ノイズの力によって石化したこの人々は
おそらく「幸せのメロディ」を歌えば、この石化が解けるであろうと推測する。
その言葉にメロディは真剣に頷き、必ずや皆を救おうと心に誓うのであった。
音符が全て揃った時に伝説の楽譜はその力を発揮する
幸福のメロディを歌えば石化した人々を救えると語る音吉さん
※調辺音吉の大仕事
そして誰もいなくなった調べの館に集合した4人と音吉さん。ノイズの後を追って
メイジャーランドへ行こうと音吉さんは大きな声を上げ、そのままパイプオルガン
で演奏を始める。するといきなり館を取り囲むように周囲の土地に亀裂が入り始め
驚くべきことに調べの館そのものが、ドンドンと浮上を始めるのであった。
そう、これこそが音吉さんが隠していた最後の手段。これはパイプオルガンごと
メイジャーランドへ向かうための壮大な仕掛けであり、大いなる秘策でもあったのだ。
翼を広げ、空に向かって浮上を始めた調べの館
程なくして館の先端から七色の道が伸びると、まるで線路の上を走る電車のように
調べの館は少しずつメイジャーランドへ向けて移動を開始する。そして館に乗りながら
プリキュア達の脳裏には、自分の父・母・同級生・先輩・兄弟の笑顔がフッとよぎる。
必ずみんなの幸せを取り戻すためにー
ノイズの侵略からメイジャーランドを守るためにー
プリキュア達は覚悟を決めて決戦の地・メイジャーランドへと赴くのであった。
いよいよ最後の戦いが始まる‥
※あとがき
遂にスイートプリキュアもクライマックスに突入し、ノイズとの壮絶な戦いが
次回から始まります。人々を苦しめ、音符を全て奪い取って完全復活したノイズ。
彼は「音の無い静寂の世界」 を目的としており、あらゆる音を根絶やしにする為に
メイジャーランドへと侵攻します。何故ノイズはそれほどまでに「音」というものを
憎むのか? そして、音の無い世界を欲しがるノイズの真の目的とは一体・・?
さて本作最後のネガトーンとの戦いですが、プリキュアになれない丸腰の響達は
今までに無い新しい気持ちでネガトーンに接しました。それはこれまでのように
ただ単にプリキュアの力で浄化するということではなく、ネガトーンにされた
対象物(今回は伝説の楽譜)の悲しみ・苦しみ・辛さを理解して同情するという
点です。承知の通りネガトーンにされてきた対象物は、ノイズに操られていただけに
過ぎず、それはメフィストやトリオ・ザ・マイナーですら例外ではありませんでした。
だからこそ、どんなに敵から酷い目に遭わされても、憎しみを持って返してしまったら
ただの復讐でしかないのです。敵には敵の事情があり、ネガトーンなどは操られて
攻撃することしか出来ない哀れな存在なのです。その事実を響達は長い戦いの末に
気づきました。敵だから、自分達を苦しめてきたから、みんなを酷い目に遭わせて
きたから‥そんな気持ちで戦っていても、いつかまた反撃を喰らい、憎しみの連鎖が
続くだけだと・・ そしてそんな響の言葉はネガトーンの心を揺り動かして、遂には
ネガトーンが響達の為に「新しいト音記号」を作り出すという奇跡が起きました。
これはお互いの立場や考えを乗り越え、相手の気持ちを思いやる事で成し遂げた奇跡。
一度は消えた音楽が、今また新たな音楽として生まれ変わる第一歩が踏み出されました
これを見ればメイジャーランド・マイナーランドというのは一見、対極の存在に
見えてきましたが、この考えは改めなければいけないのでしょうか?
そしてノイズはなぜこの世に生まれてきたのか・・?
それでは45話で~ ノシ