スイートプリキュア♪感想記

2014年8月からBS11で再放送されていたスイートプリキュア♪の感想です  

スイートプリキュア 第33話

2015年3月14日に放送された、スイートプリキュア33話の感想です。

 

↓続きからどうぞ

 

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ピアノ・レッスン

 

夕方の加音町― その夕日が調べの館に差し込み、ピアノを演奏する響を照らす。

隣には響の弾くピアノに合わせて指を動かすエレンに、メトロノームのように首を

動かすハミィも居た。そして響は演奏を終えると、早速エレンに感想を尋ねる。

 

エレンは暫く黙った後に「バッチリ!」と指で丸を作って、響の演奏を褒め称える。

どうやらいつの間にかエレンにピアノ指導してもらっていた響であったが、練習の

甲斐あってもはや教えることは無いと言われるまでに、立派に上達した響であった。

 

響はその言葉に両手を上げて大喜び。その勢いでエレンの指をギュッと握りしめ

満面の笑みになりながら、指導してくれたエレンに感謝する。そんな響のオーバーな

喜び方にエレンは戸惑いつつも「どういたしまして」と笑顔で返答するのであった。

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エレンのピアノ指導に心から感謝する響

 

※内緒の気持ち

 

するとエレンは、床に落ちていた一枚の紙(加音町少年少女ピアノコンクール)を

拾い上げ、コンクールが日曜である事を響に確認する。どうやらこれの為に響は

ピアノを猛練習していたのだろう。響は絶対に聴きに来て欲しいとエレンを誘うが

 

エレンが北条先生(父親の団)も呼んでいるの?と尋ねると、響はバツの悪そうな

顔をして、実はまだコンクールの事すら話していないと本音を漏らす。エレンはそれを

聞いて、響の夢はピアニストなのだから、先生も必ず応援してくれるはず。なのに

 

呼ばないのは変だと尋ねると、響は目を逸らし頬をかきながら、父に言うのは

照れくさいし、密かに出場して後で驚かせたいのだと語る響‥ しかしこれは

エレンに詰問されて、今とっさに思いついた感は否めない。そして話題になって

いる団は、自分の家でクシャミをして、誰かに噂されているのかなと鼻をすする。

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父親を呼ばない理由を尋ねられ、答えに困る響。

 

※コンクールの審査員

 

さてそんな隠し事をしながら、響は何食わぬ顔で家に帰ると、父親から想像も

していなかった事実を告げられる。それは先程語ったコンクールに、なんと団が

「審査員」として出場するというものだった。実は団の友達がいつもなら審査員を

 

務めるのだが、多忙の為に団に頼んだというのが理由である。響はそれを聞くと

あまりのショックから鞄を落とし、露骨に嫌そうな顔をして父親が審査員である

事に衝撃を受ける。その姿を見て団が「どうかした?」と尋ねると、響は咄嗟に

 

すっとぼけた顔をして「別にぃ~」と嘘をつくのであった。しかし響の隠し事を

知らない団は、当然のように「響も出場しないか?」と進めるが、響の顔はひきつり

首を横に何度も振って、絶対に出場はしないと必死に拒絶するのであった。

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父親が審査員と聞いて、嫌そうな顔をする響(露骨すぎw)

 

 ※それぞれのコンクール

 

その後日ー スイーツ部の使う家庭科室に、奏から呼ばれた響・エレン・ハミィ。

今日は他の部員が居ないとあって、ハミィは出来上がったカップケーキを遠慮無く堂々と

つまみ食いしていた。するとケーキの近くに「加音町スイーツコンクール」と書かれた紙が

 

置いてあり、響とはまた別に奏もこのコンクールに出場するのだろう。さて今日

奏が皆を呼んだのは他でもなく、コンクールに向けて様々なケーキを作って、それを食べて

いただき、皆から評価して貰おうと考えたからである。そして早速エレンに食べ

 

させて、思惑通り貴重な意見を貰った奏。それでは次に響の意見を・・と思ったが

響は好物のケーキに目もくれず、2人に背を向けて会話に全く参加しようとしない。

どうやら響は何か考え事をしているようで、奏達に対して上の空になっている。

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カップケーキも食べず考え事をしている響

 

 ※大いなる夢へ向けて

 

すると奏は響を呼んだかと思ったら、振り向いた響の口へカップケーキをスプーンごと

送り込み「どれが美味しい?」と無理やり評価を聞き出そうとする。(流石だ‥)

そう言われて我に返った響は「全部美味しいよ!」と当たり障りない評価をするが

 

そこは長い付き合いの奏だけあって、響の言葉が適当に答えているのを見透かした。

奏は日曜のスイーツコンクールまで時間が無いのに、もうちょっと協力して貰わなくては困る

と言った感じである。すると奏は響を指差し、先程ボーっとしていたのはピアノの

 

練習が捗っていないからではと問い詰める。それに対し「そんな事はない」と

余裕しゃくしゃくの響だが、今度の日曜は2人にとってピアニスト・パティシエと

いう大きな夢への第一歩なのだから、それぞれの夢に向かって頑張らなければ

 

ならないと力説する奏。それを聞いたエレンは2人の夢を応援するが、当の本人

である響はその言葉を聞いて、またもや顔を下に向けて考えこむのであった。

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稀に見る2人のSweetな関係

 

※父親の評価

 

学校が終わって下校の時間となり、3人で帰宅する途中、響は2人にとんでもない

発言をする。それはここに来て「ピアノコンクールに出たくない」というものであった。

それを聞いた奏は衝撃を受け、エレンは何故ここまで練習したのに出場を拒むのか

 

理解に苦しむ。すると響は近くにあった石材に乗りながら、父親がコンクールの審査員

では緊張してしまって、良い演奏など出来ないと語る。更に自分の父親の事だから

「響はまだ本当の音楽を奏でていないね」と酷評するのが目に見えると話す響。

 

エレンはそれを聞いて、響が父親にコンクール出場の事を話さなかった理由がやっと

分かったが、隣にいた奏はその呆れた理由を聞いて、ふつふつと怒りが湧き出す。

そして石材に乗っていた響に向かって「ひびきっ!」と一喝するのであった。

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父親の真似をする響、やたらとイケメンである。

 

※理解すれども

 

その大声に響は驚き、乗っていた石材から思わず足を踏み外して落ちてしまった。

そのまま奏は響の弱気な態度を責め、審査員が誰であれ「夢」の為に頑張るのが

いつもの響ではなかったのかと捲し立てる。ここでいつもなら売り言葉に買い言葉

 

で口論に発展する2人だが、流石にこれ程の正論を言われては響も黙る他は無く

そのまま2人と離れて、1人家路を辿るのであった。そしてトボトボと力無く響は

歩きながら、奏の言わんとする事は、頭では理解しているつもりだと小さく呟く。

 

それを聞いたハミィは、それなら何故父親に話さないのかと尋ねると、響は

「それはー」と口を開き、理由を語ろうとしたその瞬間!目の前に恐ろしく

不気味な顔が突如現れ、それを見た響は咄嗟にカバンで身を守ろうとする。

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響の不甲斐ない態度に怒る奏

 

※正義の味方

 

するとその顔はいきなり大笑いし、驚いた響を「引っかかった」と小馬鹿にする。

よく見れば顔は変なお面であり、背格好と聞き覚えのある声でこれは奏太のイタズラ

と判明。脅かされた響は奏太に向かって、そのお面は何よと尋ねると、奏太は

 

図工の時間に作った「太陽マン」なるキャラクターのお面であると、ポーズを

交えながら紹介する。それを聞いた響はやたらと出来栄えの良いお面を眺めながら

奏太がポーズを取る時に言った「変身!」という言葉を聞いて、何か閃いたようだ。

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目を隠された挙句に何の台詞もないアコ

 

 ※珍妙な客

 

その頃、奏はいつも通りラッキースプーンの手伝いをしながら、ケーキを購入して

くれた親子を見送りしていた。すると別の客が入店し、その客に向かって挨拶を

する奏。しかしよく見ると余りにも変な服装をしたその客に思わず驚いてしまう。

 

更にその客は店内をやたらとウロウロするので、奏が「何かお探しですか?」と

声掛けしたら、変な客は「オホホホ‥大丈夫ですわ」と怪しい返事。そして今度は

新作のカップケーキを並べてあるショーケースに張り付き、その場から動こうとしない

 

怪しい客。不審に思った奏はもう一度声掛けして、ひたすらその客を凝視し続ける。

すると客は見つめ続けられた事に動揺し始め、視線に耐えられず店から出ようとした

が、慌てて去ろうとした為にスカートをヒールで踏んでしまい、その場に転倒する。

 

そしてその拍子で帽子とカツラが取れてしまい、怪しい客の正体は響であった

事が判明・・それを見た奏は、怪しい客の正体が自分の読み通り響であった事に

呆れ、正体がバレた響は、バツが悪そうに笑うのが精一杯であった。

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服は母親から借りたのだろうか

 

 ※父と娘

 

そして2人は一度店の外に出て、奏は何故変装をしてきたのか理由を響に尋ねた。

すると響はピアノコンクールに出る決意は固めたと前向きな態度に変わったが、やはり

審査員が父親であるのはどうしてもキツいので、このように変身して他人のフリで

 

出場したいと語る。それを聞いた奏は出場を考えなおしたのは偉いが、そこまで

して父親から逃げる響の態度に呆れ気味。しかし響は、他人になりすませば父も

自分だと分からず、公平に審査できるのではと反論する。だが奏は、響の夢を一番

 

応援してくれているのは他ならぬ響の父なのだから、その様な行為は良くないと

戒めた。そして奏は店の外から自分の父親を眺め、今の自分があるのは父親のお陰で

あり、カップケーキ作りを教えてくれた父には本当に感謝していると、響に言い聞かせる。

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奏にパティシエの夢を教えてくれた父親

 

※その夢は誰の為に

 

続けて奏は、響も父親と向き合わなければ、それは夢から逃げる事と同じだと語る。

そう言われて不満そうな顔で下を向いた響。奏はそれを見て「一緒に頑張ろう」と

エールを送り、自分はパティシエになって父親の店を手伝うのだと嬉しそうに話す。

 

すると響は、自分は奏の様な気持ちにはなれないし、なによりピアニストになりたい

のは、別に父親に為ではないと目を合わせず小さな声で呟いた。そして日は傾き

夕方になり、響は明日のピアノコンクールに向けて、最後の練習を調べの館で行うのだった。

 

演奏はいつも通りで何らミスは無かったが、講師のエレンは練習を急に中断させて

今日の演奏は響らしくないと不満を述べる。そして明日のコンクールに関して

何か悩みを抱えているのではと、エレンは心配そうに響に問いかけた。

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夢に対する2人の姿勢はあまりにも正反対であった

 

※羨望するエレン

 

そう言われて響は別に何も悩んでいないと答えるが、脇に居たハミィが申し訳なさ

そうに昼間の出来事をセイレーンに話してしまったと呟いた。そしてエレンは響に

「大事なことから逃げている」と釘を差し、2人が明確な夢を持っているのが本当に

 

羨ましいと語る。なによりその夢をお互いの両親が応援してくれるなんて幸せな

限りなのだから、響が本気でピアニストになりたいと言うのなら、父親と正面から

向き合う事は本当に大切だと、エレンは奏と同じように響を説得するのであった。

 

そんな事もあり響は家へ帰ると、部屋に閉じこもってベッドに横たわりながら

奏とエレンに同じような事を言われたのにショックを受けていた。しかしこのままでは

ダメだと思ったのか、響は意を決して起き上がり、そのまま部屋から飛び出した。

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月明かりの中で落ち込む響

 

 ※既にある答え(1)

 

リビングに向かった響はパソコンを起動し。いつもの「ユカイプー」を使って外国に

住んでいる母に事の全てを打ち明けた。すると娘の悩みを聞いた母のマリアは

そのような事で悩むとは、まだまだ子供だと響を小馬鹿にする。自分にとっては

 

真剣な悩みなのに、その程度扱いされて不機嫌になった響だが、母は少し笑った後

「どっちにしろ、響はその答えに気づいているはずよ」と、意味深な助言を送った。

その言葉の意味を響が理解しかねていると、母はもう一度自分がピアニストに

 

なりたかった理由を思い返すべきだとヒントを教えるのであった。所変わって

今度はラッキースプーンに移り、夜遅くまでカップケーキの試作を続ける奏。すると

奏の父は夜更かしは身体に毒だし、明日も早いので早く寝るようにと奏に促す。

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響は答えに気づいていると語る母のマリア

 

 

※既にある答え(2)

 

そう言われた奏は小さく頷いたが、部屋に帰る前に父に向かって、どういう理由で

このラッキースプーンを始めようと思ったのか直球で質問した。突然そんな事を

言われた父は少し驚き、暫く考えた後に自分が作ったカップケーキを「美味しい」

 

と言ってくれる人が居たからと笑顔で答える。それは勿論ママの事でしょと

奏が嬉しそうに付け加えると、父はママも確かに理由の1つではあるが、店を

始めたのはそれだけが理由ではないと語る。そう言われてママの為だけでは無く

 

他にどんな理由があったのか奏が不思議に思っていると、父はにこやかに笑い

「奏は、もうその答えに気づいているんじゃないかな?」と意味深な言葉を述べた。

すると今度は父が奏に向かって、パティシエになりたい理由を尋ねると、奏は少し

考えこんで、父親に本当の気持ちを喋り始める。

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奏は答えに気づいていると語る父

 

※既にある答え(3)

 

 場所は変わって今度は外で月を見上げるエレン。月を眺める時は悲しい時だと

ハミィが言っていたのをふと思い出した。そんなエレンが月に向かって溜息を

漏らすと、いつの間にか近くに居た世話役の音吉さんが、溜息を1つ漏らすと

 

幸せが1つ逃げて行くと忠告。その言葉にエレンが振り返ると、音吉さんは

何か悩み事があるのかとエレンを心配する。そう言われるとエレンは、響と奏を

引き合いに出し、2人はピアニストやパティシエという明確な夢を持っているのに

 

自分にはそれが無くて、夢を持っているのか、そうでないのか全く分からなく

なってしまったと悩みを打ち明けた。それを聞いた音吉さんは少々考え込んだ後

「お前さんはもうその答えに気づいているじゃないかな」と意味深な助言を述べた

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エレンは既に答えに気づいていると語る音吉さん

 

※今を見つめる

 

続けて音吉さんは、未来が見えなければ「今」を見つめる事が重要だと語る。

そしてエレンが夢中になれるのは、どのような時に幸せを感じたり、どのような人達と

喜びを分かち合いたいのかを考えている時であり、その先にエレンの「夢」があると

 

音吉さんは主張する。そう言われたエレンは今を見つめる事の重要性を認識し

月を見上げながら、自分の本当の気持ちとは何かを真剣に考えるのであったー

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今を見つめ、自分の気持ちと向かい合うエレン。

 

※ラストチャンス

 

場面はコロコロ変わって、今度はトリオ達のアジトである灯台へ移動する。

前回に続いて怒りの収まらないメフィストは、音符も碌に集められず、プリキュア

倒せず、更にヒーリングチェストを持ったプリキュアとの戦力差が開くばかりのトリオに対し

 

完全に愛想が尽きたと不満をぶちまけた。バスドラは毎度おなじみの「次こそは!」

メフィストに再挑戦を懇願するが、聞き飽きた台詞だとメフィストはこれを一蹴。

そして今度プリキュアを倒せなければ、もはやトリオは用無しだとクビを宣告して

 

通信を終了させたメフィストバリトンはまた怒らせてしまったと落胆するが

ファルセットはヒーリングチェストを奪えなかったから機嫌が悪いだけだと慰めた。

しかしバスドラは真剣な顔をして、次が本当に無いのを理解し、今回プリキュアを

絶対に倒さなければ我々に未来は無いと、声を震わせて2人に告げるのだった。

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度重なるトリオの失態に堪忍袋の緒が切れたメフィスト

 

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背水の陣で挑むしか無いトリオ

 

※サプライズプレゼント

 

そして次の日ー 遂にピアノコンクールが開催され、次々と演奏をする出場者達。

審査員席に居た父親の団は、予定通りその仕事をこなしていた。さて肝心の響は

控室で他の出場者と共に出番が来るのを待っていたが、持ってきた例の変装衣装を

 

着るべきかどうするかで真剣に悩んでいた。すると近くから自分を呼ぶ小さな声が

聞こえてきて、響がドアの方を見ると奏が手招きしているではないか。響は一旦

控室を出て、スイーツコンクールに行ったはずの奏が何故ここにいるのか尋ねると、コンクールの

 

前に響へ渡したいものがあると奏は答える。そして奏は後ろに隠していたラッキースプーン

の箱を取り出し、中を開くとそこには「ガンバレ!」と書かれた響専用の巨大な

カップケーキが登場。それを見た響は瞳を輝かせて、大いに喜ぶのであった。

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応援のために作られた巨大なカップケーキとそれを喜ぶ響

 

※奏の答え

 

すると奏は喜ぶ響を指差して、これこそが「私の夢」であると話し、大喜びする。

一体何の話なのかと響が疑問に思っていると、奏は自分が考えた答えを語り始める。

 

自分は響から「ピアニストになるのは父親の為ではない」と言われた時、何故そんな事を

言うのか分からなかったが、自分も父親の為にパティシエになりたいのか真剣に考えたら

答えは違っていて、自分の作ったカップケーキで誰かを笑顔にする事、それが本当の

 

「私の夢」であったと語る奏。その理由は誰かの笑顔を見れば、作った自分も

凄く嬉しいから・・と奏は清々しい顔で響に微笑んだ。その話を聞いた響は

「笑顔‥嬉しい‥」と呟きながら、両手を挙げていきなり自分の両頬を叩いた。

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人の笑顔を見る事が、奏のパティシエになりたい本当の理由だった。

 

※響の答え

 

響が頬を自分で叩いた衝撃でハミィは転げ落ち、奏はその行為にビックリしてしまう。

自分で叩いといて「痛ったぁ~い」とのたまう響だが、自らに喝を入れた事で

目が覚めたと喜びだす。そして奏のお陰で「私のピアノで誰かを笑顔にしたい」

 

という一番大切な気持ちと、自分の「本当の夢」に気づくことが出来た響。それを

聞いた奏は「響はそうでなくっちゃ」と一緒に喜び、床に落ちたハミィも同意する。

すると廊下の影に隠れていたエレンは、一人ほくそ笑みながらその場を後にした。

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奏のお陰でピアニストを目指す理由を思い出せた響と、それを影から聞いているエレン。

 

※過去との決別

 

そしてピアノコンクールは遂に響の出番。会場に居た響の父は、次の演奏者を

確認する為に進行の紙をめくると、そこには「№14 北条 響」と書かれた名前が‥

ここでようやく娘に出場に気づいた団は、少し驚いた後で優しい笑顔へと変化する。

 

響は舞台に立つ途中に心の中で、父親に審査されたくなかった本当の気持ちを

語り出す。もし演奏を失敗して、父に才能が無いと酷評されてしまったら―

そんな事ばかり考えて、怖がって前に進めなかった自分が居た。しかしもう

 

逃げるのは終わりにして、ここで決めなきゃ女が廃る!と響は意気込む。そして

演奏前に客へ向かって一礼した後、「14番!北条響です!」と腹の底から大声を

張り上げ、響は夢へ向かって演奏を始めるのであった。

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娘の名前を見た北条団は心の中で何を思うのか

 

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覚悟を決めて演奏に望む響

 

※トリオ・ザ・マイナーの決心

 

その頃コンクール会場の近くまで接近していたトリオザマイナー。

バスドラは響と奏の出場しているチラシを眺めながら「何が夢だコンクールだ」と

馬鹿にして、紙を丸めてそれをファルセットに投げつける。勿論トリオの目標は

 

メロディ・リズムの夢を破壊する事であり、もはや後が無いバスドラ達は

「今日こそ決めるぞ!」と意気込み、残りの2人も覚悟を決めて返事をした。

そしてバスドラは、近くにあったトランペットの銅像に音符が付いてるのを発見。

 

すぐさま音符を邪悪な存在に変えて、トランペットのネガトーンを作り出した。

そしてネガトーンは口から不幸の音波を撒き散らし、会場周辺にいた人々は嘆き悲しみ

その場に崩れる。するとバスドラは目標をコンクール会場に定めて、突撃を開始した。

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覚悟を決めたトリオが作ったトランペットのネガトーン

 

 ※Guardian of the dream

 

するとネガトーンの前にエレンが登場し、トリオの野望を阻止しようと立ちはだかる。

エレンはトリオに向かって何を企んでいるのかと問い詰めると、バスドラはメロディを

倒しピアノを弾けなくしてやると臆面もなく豪語し、それが終われば次の目標は

 

リズムだと話すバリトン(ファルセットは何を言っているのか全く分かりません‥)

それを聞いたエレンは心の底から怒り、2人の夢を壊そうとするトリオを許さず

響と奏の夢は自分が守ると決意。そのままエレンはキュアビートへと変身した。

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2人の夢は私が守るっ!

 

※一進一退

 

変身後、ビートはその速さを活かして果敢に突撃したが、敵の反応も素早く

鉄球の形をした右手に地面ごと叩きのめされてしまった。その頃、響はまさに

演奏直前であり、緊張しないように深呼吸をして鍵盤へ指を伸ばすのであった。

 

そして潰されたと思われたビートは鉄球を持ち上げ、2人が居なくても負けはしない

と叫び、そのまま一気にネガトーンを投げ飛ばす。するとネガトーンは空中で光弾を作り出し

それを次々とビートに発射。ビートはこれを回避しつつ、向かってきた光弾の1つを

 

ネガトーンに蹴り返し、敵がそれを防いでいる隙に、ビートは敵の眼前まで急接近する。

そして空中で激しい乱打を繰り広げたビートだが、キックの時に足を掴まれてしまい

またもや地面に叩きのめされてしまう。そして落下で押しつぶそうとしたネガトーンを

ビートはギリギリで交わし、立ち上る塵煙の中でビートとネガトーンは戦いを繰り広げる。

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息を呑む激しい攻防戦

 

※エレンの夢

 

ビートは塵煙を掻い潜り、ネガトーンに強烈なパンチを決めると、その勢いで敵は

後ろへ吹き飛ばされる。しかしネガトーンは踏み止まり、またもや光弾をビートに発射。

ビートはこれを交わそうとするが、今度は弾が誘導に変わっており、必死の回避も

 

虚しく全弾まとめてビートに直撃。近くにあった階段はその衝撃でえぐれてしまい

ビートはその中央で仰向けに倒れて動けなくなってしまった。そして勝利を確信した

バスドラは、ビートを無視してコンサート会場に乗り込もうと歩を進める。

 

だがそれでもビートは震えながら立ち上がり、今この時2人は夢へ向かって

沢山の人々を笑顔にする為に頑張っているのだから、絶対に邪魔をさせずに守り

抜いて見せると決意する。そしてそれこそが自分の夢でもあるとビートは叫んだ。

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2人の夢を守ることが自分の夢ー キュアビートはそう語る

 

 ※一転攻勢

 

バスドラはその言葉をバカバカしいと一蹴し、ビートにとどめを刺そうとネガトーンに

命令を下す。そしてネガトーンの右腕から今まで一番大きな光弾が産み出され、危険を

感じたビートは回避しようとするが、足が瓦礫につまづいてその場に倒れてしまう。

 

迫り来る巨大な光弾を絶望的な顔を見つめるビート、もはや絶体絶命と思われた

その時! どこからともなくパッショナートハーモニーが光弾を突き破り、ビートの

眼前にはコンクール出場中のキュアメロディキュアリズムの後ろ姿がハッキリと見えた。

 

土壇場の援軍でビートは大喜びするも、コンクールの事を尋ねると無事終わったと話す

メロディとリズム。それにビートからコンクールを守って貰ったのだから、今度は

自分達がビートを守る番だと意気込み、2人はネガトーンへ突撃を開始した。

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ギリギリで助かったビート。コンクールも終わって反撃開始

 

※Finish all

 

2人は息の合ったコンビネーションでネガトーンを攻撃し、敵の放つ光弾も綺麗に

交わしたり手刀で切ったりと動きに無駄がない。だが切り漏らした光弾がリズムに

迫って来てピンチかと思われたが、2人の攻撃で元気を取り戻したビートがこれを

 

拳で弾き返す。それがネガトーンに当たると側で見ていたハミィは今が好機と判断し

クレッシェンドトーンの力を使うように指令する。そして3人はヒーリングチェストを

開き、クッレッシェンドトーンの力を借りて「スイートセッションアンサンブル」を発動

 

クッレッシェンドトーンの強大な力と速さに耐えた3人は、見事ネガトーンを浄化させる事に

成功。敵は元のトランペットの銅像に戻った。そのままハミィが音符浄化の

アクションを起こすと邪悪な音符も元に戻り、それをシリーに収納。ハミィがシリーの

中を覗くと、もうすぐ幸せのメロディが完成すると喜ぶのであった。(14回目)

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浄化完了

 

※努力の結果

 

最後のチャンスだというのに負けてしまったトリオは、メフィストの懲罰を

恐れてどこかへ逃げ出した。さてクレッシェンドトーンはプリキュアに向けて

今回のハーモニーパワーの高さを賞賛し、皆の夢を守りたいという3人の心が

 

大いなる力を産んだのだと褒め称える。そう言われた3人はお互いを見つめ合い

少し照れくさそうに笑いあうのであった。そして戦闘もコンクールも終わり

スイーツコンクールに出場した奏は、金賞を逃したものの、銀賞を手にして満面の笑み。

 

観客席から応援していた奏の両親・弟の奏太もその努力に拍手を惜しみなく送る。

そしてピアノコンクールに出場していた響も、同じく金賞は逃したが、こちらも銀賞を

受賞。トロフィーは父親から直々に渡され、受け取った響は恥ずかしそうに微笑んだ。

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2人とも見事に受賞を果たした

 

 

 

※和解

 

そして審査員の仕事を終えた父は、一人その足で家へ帰ろうとしていた。

すると後ろから娘の響が追いかけて来て、息を荒くしながら父親を呼び止める。

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響はかなり恥ずかしげな顔をして、父に対し何も言わずコンクールに出場して

いた事を謝罪する。しかし父は響が出場しようとしていたのは既に気づいていたと

話すと、それを聞いた響はその事に驚き、身体の力が抜けてその場にうずくまる。

 

すると父は響の頭を撫でながら、次の言葉を語りかけた。

「よく頑張ったね。 響の演奏、とても心に響いたよ」

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 そう言われた響は、胸の奥にあった何かが溶けていくのを感じていた。

 

黙って出場した事を父に怒られるのではないかー

以前のように「音楽を奏でていない」と父に酷評されるのではないかー

父と私はもう何も分かり合えないのではないかー

 

コンクールの演奏中はその悩みを断ち切って、最後まで演奏できた響であったが

だからといって悩みが解決した訳ではなく、演奏が終わってからもその気持ちを

引きずって、悶々としていたのは想像に難くない。

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しかしそれは自分の杞憂であったと、響は遂に理解する。

 

出場を隠していたからといって、父はそれを咎めることは一切せずー

「自分の娘」という色眼鏡を掛けないで「1出場者」として父は正当な評価を下しー

響が思っている以上に、父はいつでも娘の夢を見守り、そして愛しているとー

 

それが分かった響は、自分から心に作っていた大きな「氷の壁」が解けていくのを

実感し、解けた氷は涙になって、響の目から1つ1つこぼれ落ちていった・・・

 

 

※親子で繋ぐ大きな夢

 

父に対して全てのわだかまりが消えた響は、幼い子供のように父の腕に大喜びで

しがみつく。そして響は子供の頃のように、また自分にピアノを教えて欲しいと

父におねだりした。なぜならもっとピアノが上手くなりたいし、父や母のように

 

沢山の人々に感動を届けたいからー  響が興奮気味にそう熱弁すると、父は

笑顔になりドイツ語で「Gerne」と返答する。そう言われても意味がわからず

響がポカーンとしていると、いつの間にか後ろに居たエレンが、言葉の意味は

 

ドイツ語で「喜んで」だと通訳する。そしてエレンの隣に居た奏は、自分が受賞

した銀賞を響に見せて、コンクールの成果を強調する。それを見た響は、お互いに

受賞できた喜びをVサインで表現するのであった。

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喜んでピアノを教えましょう

 

※守るべき何か

 

すると奏達の更に後ろに、いつの間にかキュアミューズが登場し、響が父と仲良く

話している姿をミューズは凝視していた。その響はコンクールも終わって

打ち上げパーティーをしたいので、一旦別の場所へ移動する事を父親に告げていた。

 

父は「あまり遅くならないように」と釘を差し、響達と別れて家路へと向かう。

そしてパーティーをやるぞと3人は意気込み、さぁ移動しようと思ったその時

響の視線の先にキュアミューズが立っているのを発見し、何事かと不思議に思う。

 

ミューズは踵を返し、ドドリーに目配せをすると、ドドリーはミューズの代弁として

「私にも、守りたいものがある」と語り、あっという間にその場から飛び去る。

守りたいと言われてもサッパリな3人は、ミューズの真意が全く分からなかった。

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ミューズは何を守りたいのか?

 

※立ち上がるメフィスト

 

その頃、マイナーランドの王メフィストは、最後のチャンスを与えたトリオが

不甲斐ない失態を晒した事で、完全に愛想が尽きていた。こうなったらもう

自らが出陣する他はなく、意を決したメフィストは人間界に赴くことを遂に決意した。

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遂に動き出したメフィスト

 

 

※ あとがき ~30話越しの和解~

 

この回はストーリー重視のスイートプリキュアにあって、その真骨頂とも言える

回ではないかと思います。北条響は小学生の頃に、父から頼まれたピアノ演奏会で

「音楽を奏でて無い」と酷評された事があり、それがトラウマとなって父親と疎遠に

 

なったのは勿論、今まで頑張ってきたピアノをこの日から辞めてしまいます。

しかし後に、父が酷評した理由が「響にピアノの才能が無かった」からではなく

「客の前で嫌々演奏して音楽を楽しんでいなかった」という答えに響は気づきます。

 

響はそれから考えを改め、ピアノの練習を再び始めました。これが第3話の出来事

だったのですが、実はこの回で響は父親と完全に和解したわけではなく、音楽の

楽しさを再確認することが出来た回であったのが、この33話を見て理解出来ます。

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遠い日の辛い思い出。3話で響が達成したのは「音楽を楽しむ」と「ピアノの再開」

 

なので響はこの回の冒頭から、コンクールの事を父に隠します。次に父が審査員になると

分かったら今度は出たくないだの、やっぱ変装して出ようだの とにかく父親から

避けようとする姿が目につきますね。ただここで勘違いしてはいけないのが

 

響は父親が大嫌いという訳では無く、父親からピアノの審査をされるのが辛いという

所がポイントです。だから普段の会話ならそれなりに良く喋りますし、お互いを助け

あったりする場面も見られました。でも自分の夢でもあった「ピアニスト」に関しては

 

どうしても触れられたく無いというか、出来る事なら父の関わりなくピアニストに

なりたかったという響のいじらしい気持ちが見て取れます。それは勿論、響にとって

父親から厳しく批判されたあの日の記憶が、未だ心に影を落としていたからです。

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軽いノリで言っているが、内心ではトラウマを克服できていない。

 

しかしそうは言っても、このままではいけないと思った奏とエレンが、うじうじする

響を叱咤激励。その甲斐あって響は土壇場で忘れていた一番大切な事を思い出し

ます。それは「自分の演奏で誰かを笑顔にする」という、音楽を楽しんで演奏する

 

事よりも、忘れてはならない芯の部分でした。そんな仲間達の支えもあって、響は

変装せず堂々と出場し、父の前で精一杯の演奏を披露して、見事受賞を果たしました

そしてコンクール終了後、響は父を追いかけ、黙って出場していたのを謝罪します。

 

ここで父は「知っていた」と言いましたが、審査で使う進行表をめくって、少し

驚いた顔をしていた事を考えれば、やはりギリギリまで知らなかったのが正しいの

かもしれませんね。その後の内容は上に記しているので、ここでは割愛します。

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娘の名前を見て一瞬固まる父

 

響にとって父は偉大な音楽家です。勿論母もそうですけど・・

だからこそ小さい頃は自分の音楽の道を志し、父の指導の元で頑張ってきました。

しかし例の件で音楽と父から離れてしまった響。その後は音楽の楽しさを再認識

 

しますが、父に対してはわだかまりが以前として残っていたのです。だけど音楽を

学ぶのならば、父に指導して貰うのが良いのは響も薄々分かってはいたでしょう。

そうしたいけど、その一歩を踏み出せない・・中学生特有の親に対する反抗心や

 

自我の目覚めが響の決断を鈍らせます。結局この回の最後で、響はもう一度

父から音楽を指導してもらう事になりましたが、響にとって父は、目標であり、

誇るべき存在、しかしそれ以上に、避けては通れない大きな壁でもありました。

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無邪気に甘える響

 

こうして北条響のピアニストになるという大きな夢は

音楽を楽しむ心、自分の演奏で人を笑顔にする気持ち、そして父親の指導という

三本柱が見事に揃い、夢は何の迷いもなく、一気に加速して行く事でしょう。

 

例の3話から30話を経た非常に長い期間ではありましたが、響という主人公の

夢が遂にスタートしたこの33話は、私にとって感慨深い、秀逸な回であったと

今でも変わらずに思います。そして、この回に出会えた事を心から感謝します。

 

それでは34話で~ ノシ