スイートプリキュア♪感想記

2014年8月からBS11で再放送されていたスイートプリキュア♪の感想です  

スイートプリキュア 第1話

~ごあいさつ~

はじめまして!私の名前はヒロアキと申します。

8/2からBS11で再放送が始まった「スイートプリキュア♪」の感想を書いていきます

それとは別にpixivの方でも他愛の無い落書きですがプリキュアの4コマなどを書いて

いますので、興味のある方は覗いて評価やブクマ・コメして頂けると大変励みになります。

 

pixivネームは同じヒロアキです

http://www.pixiv.net/member.php?id=2387513

 

Twitterはこちらになります。

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 感想の前に私個人のプリキュア視聴歴はフレッシュプリキュアを途中からチラチラと見始め

ハートキャッチプリキュアの序盤と終盤を視聴、そしてこのスイプリは全話リアルタイムで視聴しました。

とても思い入れのある作品で、また再放送で見れるのは非常に嬉しい限りです。

 

ブログの表記は数行の文章を書いた後にその回の画像を1~2枚挟む形になり

それなりに順を追って念入りを書いているので、どうしても文章の方が多く

なりがちです。なので画像を多く見たい場合は、他の方の感想ブログを

 

見ていただくか、実際に視聴した後でこのブログを見るのを

個人的にオススメします。それらを踏まえた上で前置きが長くなりましたが

スイートプリキュア・伝説の 第1話の感想を下の続きからどうぞ。

 

 

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※ 序曲 ~音楽の国~

 

透き通った水辺、そこを駆け抜ける鳥達、晴れ渡った青空に掛かる七色の虹‥

まるで天国のようなこの場所は、音楽の国【メイジャーランド】という名の王国。

そして王宮の横に浮いている、巨大なコンサートホールから綺麗な音色が流れている。

 

ホールの中はメイジャーランドの人々で溢れかえっており、楽器の妖精たちが奏でる

素晴らしい音楽に人々は聴き惚れている。そして屈強な男性指揮者により演奏が

終わりを告げると、割れんばかりの拍手がコンサートホールを包み込んだ。

 

それと同時にホールの高所にスポットライトが当たると、そこには見るからに高貴な

女性が着座していた。すると甲高い声をした司会者が、この女性はメイジャーランドの

女王【アフロディテ】様であると告げ、紹介された彼女は静かに席を立つのであった。

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音楽の国 メイジャーランドの女王 アフロディテ

 

 

※序曲Ⅱ ~伝説の楽譜~

 

女王は席を立つと、聴衆に向かって「メイジャーランド大音楽会へようこそ」と

挨拶し、続けてこの大音楽会で恒例の【幸せのメロディ】をお聴き下さいと語る。

すると遠くに置いてある譜面台がうっすらと輝きを増し、その上には豪華な装丁を

 

されている楽譜が既に開いていた。女王はこの楽譜はメイジャーランドに代々伝わる

【伝説の楽譜】であると紹介し、これに書かれている幸せのメロディの力によって

世界の平和と、人々の幸せは守られているのだと解説する。

 

そして女王は、この幸せのメロディを歌う大事な役目を任された【歌姫】を紹介した。

どうやら前年までは別の歌姫が担当していたのだが、今年からは新たな歌姫に変わった

ようである。その名は妖精【ハミィ】であると、女王は高らかに宣言した。

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メイジャーランドに代々伝わる 伝説の楽譜

 

 

※序曲Ⅲ ~歌姫ハミィ~

 

 女王に呼ばれて譜面台の奥から登場したのは、大きな両耳と白く小柄な姿が特徴の

猫の妖精・ハミィであった。するとハミィは咄嗟に立ち上がり「ニャプニャプ~」と

喜んだが、その声に伝説の楽譜が反応してしまう。アフロディテはハミィに向かって

 

迂闊に声を上げると楽譜に付いている【音符】を操ってしまうので、気をつけて

欲しいと忠告した。ハミィはそう言われてハッとしたが、なにぶん今回が初めての

ハミィをアフロディテは微笑ましく眺めた。そして聴衆に向かって、伝説の楽譜に

 

付いている音符は1年経つと徐々に浮き上がり、そのまま放置すれば飛び去ってしまう

と解説。そういう訳で年に1度、選ばれた歌姫が幸せのメロディを正しく歌うことで

音符は楽譜に染みこみ、その1年は世界を平和にするパワーを放ち続けると説明した。

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猫の姿をした歌姫ハミィ

 

 

※序曲Ⅳ ~迫り来る魔の手~

 

つまり大音楽会は、その1年を平和にするメイジャーランドの大切な儀式なのだ。

そう女王から聞かされたハミィは胸を叩き、大任を務め上げる決意をするのであった。

 

・・・しかし、突如としてコンサートホールに謎の男の笑い声が響き渡る。

 

それを聞いた全ての人々は驚き、いったい何が起きたのかと不思議に思った。

するとホールの照明が突然消え、メイジャーランドの綺麗な水辺に邪悪な城の影が

映しだされる。そしてその男はひとしきり笑った後、「幸せのメロディなど

 

歌わせはしないぞ」と声を上げ、照明を自分に向けて当てる。その男はいかにも

邪悪な気配を漂わせ、いつの間にか譜面台に置いていた「伝説の楽譜」を盗み取って

いたのだ。それを見たアフロディテは、思わず男に向かって声を張り上げる。

 

メフィスト!」

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大音楽会に突然現れたメフィストなる男

 

 

※序曲Ⅴ ~譜面の改竄~

 

 自分の名前を呼ばれたメフィストなる男は、「ご機嫌麗しいなアフロディテ」と

心にも無い言葉を述べ、見ての通り伝説の楽譜は【マイナーランド】がいただいたと

盗んだことを隠そうともしない。それはともかく、2人がお互いの名前を知っている

 

ということは、アフロディテメフィストは何らかの関係にあるということだろうか。

さて、メフィストの粗暴に怒ったアフロディテは、伝説の楽譜をどうするつもりか

 と声を荒げると、メフィストは楽譜を開き手をかざし、怪しげな念力を使い始める。

 

すると楽譜に付いていた音符は徐々に浮き上がり、音符は右に左に動き出した。

そして気が付くと幸せのメロディとは全く異なる、別の歌に譜面が変わってしまった。

 

「楽譜を不幸のメロディに書き換えてやった!」

 

メフィストはすっとぼけた態度でそう言い返し、更にこの【不幸のメロディ】で

全世界を不幸のドン底に陥れてやると低い声で息巻くのであった。

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 幸せのメロディ は 不幸のメロディ に書き換えられてしまった

 

 

※序曲Ⅵ ~黒き歌姫~

 

 マイナーランドなる世界からやって来たメフィストは、自分の目的をそう語った。

しかしアフロディテは慌てる素振りもなく、メフィストに向かって次の様に反論する。

 伝説の楽譜を書き換えようとも、幸せのメロディと同じく、不幸のメロディもこれを

 

歌ってくれる歌姫がいなければ何の意味も無い。更にハミィがメフィストに協力する

訳もなく、その作戦は失敗だとアフロディテメフィストを小馬鹿にするのであった。

だがそう言われてもメフィストは不敵な笑みを止めず、伝説の楽譜を譜面台に戻して

 

自分が用意した「別の歌姫」の名を叫ぶのであった。その歌姫の名は【セイレーン】

と呼ばれ、こちらもハミィと同じく猫の妖精であったが、ハミィより体格が一周り

大きく、艶のある毛並みと、その鋭い目つきは他を寄せ付けぬ強いオーラを放っていた。

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メフィストに呼ばれてやって来た 彼女の名はセイレーン

 

 

※序曲Ⅶ ~ハミィとセイレーン~

 

セイレーンの姿を見たアフロディテは驚き、何故メフィストと一緒に行動しているのか

問い詰める。どうやら女王は彼女を知っているようだが、セイレーンは相手にせず

堂々と無視して譜面台の方へと歩を進める。更にハミィもセイレーンの事を知っており

 

「久しぶりだニャ~」と緊張感の無い挨拶をするが、セイレーンはこれを鼻で笑い

相変わらず、天然ボケの子猫ちゃんだと見下した。しかしハミィはこれを褒め言葉

勘違いして喜ぶが、怒ったセイレーンは「褒めてないし!」と怒りを露わにする。

 

続けてセイレーンはハミィに向かって、自分こそが本当の歌姫であり、自分の歌声で

全世界を不幸の一色に染めてみせると凄んだ。アフロディテはセイレーンを止めようと

するが、聞く耳を持たないセイレーンは静かに不幸のメロディを歌い始めた・・・

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お間抜けなハミィの態度に怒るセイレーン

 

 

※序曲Ⅷ ~不幸のメロディ~

 

セイレーンが歌う不幸のメロディは悲壮・陰鬱・絶望を詰め込んだような暗い歌で

あった。すると聴衆たちは次々と泣き出し、アフロディテは人々の中から幸せの

メロディが逃げていく事に激しい危機感を募らせる。更に伝説の楽譜をよく見ると

 

浮いていた音符が「不幸のメロディ」として次々と譜面に染みこみ始めたのを女王は

見逃さなかった。逆にそれを見たメフィストは大笑いして、不幸のメロディを完成させ

世界を絶望のどん底に突き落とせとセイレーンに命令する。しかしそうはさせまいと

 

焦ったアフロディテは両手を揃え、不思議な力で伝説の楽譜から音符を引き剥がし

始めた。音符が逃げ出した事でセイレーンの歌は中断し、大量の音符が女王の元へと

集まる。だが、メフィストもこれで不幸のメロディを諦めるつもりなど全く無かった。

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 アフロディテの不思議な力で、伝説の楽譜から音符が引き剥がされた。

 

 

※序曲Ⅸ ~音符を求めて~

 

メフィストアフロディテに向けて【七色の鍵盤】を作り出し、それに乗りながら

音符の塊に向かって飛びかかって来た。もはやこうなっては手元に置いておけないと

察知した女王は、集めた音符を一斉に飛ばし、音符たちは空の彼方に消えてしまった。

 

そんなアフロディテの荒業で音符の強奪が失敗に終わったメフィスト。女王はこれで

一安心と思ったが、諦めの悪いメフィストはセイレーン、そして【トリオザマイナー】

と呼ばれる3人の部下を召集し、音符の跡を追って全ての音符を集めよと命令した。

 

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メフィストの部下であるセイレーンとトリオ・ザ・マイナー

 

セイレーンと3人は言われた通り、すぐさま音符を追いかけてその場から去っていく。

これは危険だと感じたアフロディテは、ハミィに音符を集めるよう指示して、お供に

【フェアリートーン】と呼ばれる音の妖精(7体)をハミィに付けた。そして

 

ハミィも言われた通り、フェアリートーン達と共に音符を追いかけ、今ここに

アフロディテメフィストの、大量の音符を巡る激しい争奪戦が始まるであった。

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アフロディテはハミィとフェアリートーンを音符集めに任命する。

 

 

 ※序曲Ⅹ ~伝説の戦士~

 

それぞれの部下たちが出払い、王宮に残ったアフロディテメフィスト

メフィストはハミィのような間抜けな子猫に音符集めなど出来るわけ無いと高をくくり

尚且つ、伝説の楽譜も我が手にあるこの状況では、もはやマイナーランドの優勢は

 

決まったも同然だと一方的な勝利宣言をする。しかしアフロディテは悔しがる素振りも

無く、音符を送った先には、私達と共に戦ってくれる【戦士】がいると反論した。

つまり、ハミィはその戦士を探す使命も与えられていたのだ。 その戦士の特徴は

 

音楽を愛し、心に「あの印」を持った者たち

その名を【伝説の戦士・プリキュア】と呼んだ。

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ハミィには音符探しと同時に、伝説の戦士を探す使命も与えられた。

 

 

※音楽の溢れる町

 

そんなメイジャーランドの激しい動きとは打って変わって、場面は穏やかな

【人間界】へと移動する。ここは【加音町(かのんちょう)】と呼ばれる町で

町の人々は常に音楽を愛し、いつも町の至る所から音楽が流れ続けている。

 

加音町の中央広場には大きな時計台があり、そこかしこに音楽の記号や楽器を模した

町並みが広がっている。町は常に活気に溢れ、道行く人々はみな笑顔が絶えない。

正に、音楽と共に暮らし続ける人達で作られた「音楽の町」と呼ぶに相応しいであろう

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美しい町並みが広がる加音町

 

 

※元気で明るい女の子

 

その加音町にある【私立アリア学園中学校】では

グラウンドでボールを蹴って駆け抜ける、活発な1人の女の子がそこにいた。

 

見事なロングヘアーでありながら、どこか男性のようにキリッとした顔つきが特徴の

彼女の名前は【北条 響(ほうじょう ひびき)】 この物語の主人公である。

 

彼女は中学2年生で勉強がやや苦手ではあるが、スポーツは大の得意である。

性格は負けず嫌いでありながら、おっちょこちょいな一面を時折覗かせる。

 

そんな響の決め台詞は「ここで決めなきゃ女がすたる!」であり

 響の何事も諦めない力強さが、この言葉からもハッキリと伝わってくる。

 

そして豪快なシュートを決めた響の元に、仲間たちが喜んで駆け寄ってきた。

と言っても響はサッカー部の部員という訳ではなく、あらゆるスポーツを楽しみたい

故に、アチコチのスポーツを「助っ人」という形で掛け持ちしているのであった。

 

そんな響の大好物は甘いもの。

中でも一番大好きなのは【作りたてのケーキ】である。

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 この物語の主人公 北条 響

 

 

 ※清楚でおしとやかな女の子

 

 場面は変わって、校舎内にある家庭科室に【スイーツ部】と書かれた看板が見える。

電子レンジの音が鳴り、焼き上がったスポンジの香りを確かめている女の子が1人。

柔らかな物腰と、綺麗な髪が特徴の彼女の名は【南野 奏(みなみの かなで)】

 

奏は完成したスポンジを取り出し、その上に乗せるクリームを作り始めていた。

彼女も響と同じく中学2年生だが、響とは対照的にスポーツが苦手ではあるが、逆に

勉強とお菓子作りが大得意な女の子である。性格はおとなしい・・と自分では思って

 

いるのだが、なぜか周囲から奏は怒らせたら怖いと評されており、本人はその評判を

快く思っていない。そうこうしている内に奏の立派なケーキが完成して、他の部員達は

その素晴らしいケーキの出来栄えに、思わず溜め息を漏らすのであった。

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 南野 奏 今日も得意のケーキ作りに余念がない

 

 

※常習犯

 

そして完成したケーキを部員達と一緒に食べながら、楽しく談笑する南野奏

部員の1人は奏のケーキに悔しさを滲ませつつも、やはり抜群の出来栄えだと褒め

称える。更に他の部員も、プロ並みの部長と互角に並べるのは奏だけだと賞賛した。

 

奏は褒め過ぎだと困りながらも、自分以外の部員が作ったケーキをおかわりしようと

していた。すると・・・奏の視線の先に、置いていたケーキをコッソリと盗む右手が

見えるではないか。その犯人は勿論、ケーキが大好物の 北条 響 であった。

 

響は盗んだケーキをさっそく食べようとしたが、奏の発した「ひびきっ!」という

大声に驚き、思わずケーキを鼻にぶつけてしまった。どうやら今回だけではなく、響は

何度もケーキを盗んでおり、奏に今日こそは許さないと怒られてしまう。

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奏の大声に驚いてクリームを鼻に付けてしまった響

 

 

※いつもの喧嘩

 

しかし響は奏の怒りを何とも思わず、一口でケーキを平らげて笑顔で奏を挑発する。

 もはや我慢の限界に達した奏は、響に向けて次々と言葉を浴びせ始める。だが他の部員

達はそれを止めることもせず、また2人の喧嘩が始まったとポツリ。どうやら一連の

 

流れは何度も繰り返されている日常の光景と思われる。奏は勝手にケーキを食べるの

はやめて欲しいと怒ったが、どうせいつも余るのだから、少しくらいいいじゃないと

反省の色も無い響。更に奏に対し「ケチ」「石頭」など暴言を吐き続ける響であった。

 

この暴言には奏も爆発しそうになったが、そこは持ち前の冷静さで頭を切り替え

キチンと頼めば食べさせてあげるのに!と反論。しかし響は「~させてあげる」という

上から目線が酷く嫌いで、これだから奏に頼みたくもないとソッポを向くのであった。

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 顔を合わせればいつも喧嘩ばかりの響と奏

 

 

※譲らない2人

 

 そう言われていい加減に愛想が尽きた奏は、二度と食べに来ないよう強く警告する。

更に、響なんかにあげるケーキは無いと吐き捨てて奏もソッポを向くと、今度は

「響なんか」と言われたことに怒り始めた響。お互い譲る気配は微塵もないようだ。

 

この状況を見かねたスイーツ部の部長こと【聖歌(せいか)先輩】は仲裁に入り

友人のことを悪く言うのは良くないとチクリ。更に親しき仲にも礼儀ありと忠告すると

2人は怒りの矛先を先輩に向け、同時に「親しくなんかありません!」と声を揃えた。

 

2人がハモったのを聞いて別の部員が笑ったが、響と奏はお互いを睨んだ後、顔を

背けて響が部室を出て行こうとする。しかし響の鼻に付いていたクリームが気になった

奏は「拭いていったら?」と呟いたが、響は自分の舌を鼻につけてクリームを舐め取る

 

そして出て行き間際に、奏に向けて「イーだ」と子供並みの挑発をして部室を跡にした

響。よせばいいのに奏も子供っぽく響に向けて「ベー」と舌を出して、ようやく2人の

情けない喧嘩は終わりを告げるのであった。

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聖歌先輩の仲裁も虚しく、2人はいつものように喧嘩別れするのであった。

 

 

※2人の関係

 

ひとしきり2人の喧嘩が終わった後、スイーツ部員の1人が奏に向かって話しかける。

 

「ねぇ、奏と響って、小さい頃は毎日一緒に遊んでいた って本当?」

 

それを聞いた他の部員は初めて聞くその話を意外に思い、本当は仲良しではと呟いた。

しかし奏はこれを否定し、昔から顔を合わせれば喧嘩ばかりの関係であったと話す。

そう言われると部員達も、奏と響が仲良くしている所なんて想像出来ないと納得した。

 

だが奏はテーブルに置いてるケーキを眺め「今日もまた言い過ぎちゃったなぁ‥」と

心の中で呟いた。いつもこうして喧嘩が終わると、奏は1人落ち込むのであった。

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 響と奏の話題で花を咲かせるスイーツ部員たち

 

 

※後味の悪さ

 

実はこのように落ち込むのは、部室から出て行った響も全く同じであり、何故いつも

喧嘩になってしまうのかと自己嫌悪に陥っていた。そして響は自らの頭を両手で叩き

ながら「私のバカ!バカ!」と自分自身を痛め続けるのであった。この描写からも

 

分かるように、響と奏はお互い好きで喧嘩をしているわけではないが、売り言葉に

買い言葉で気がつけばいつも喧嘩ばかり。そしてお互いが【幼馴染み】ということも

あって、良くも悪くも相手に遠慮が無く、キツい言葉の応酬になってしまうのだ。

 

響は自分の頭を叩き終わった後、溜め息を吐きながら空を見上げてこう呟いた

「昔は楽しかったなぁ・・」

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自ら頭を叩いて自分を責める響

 

 

※遠い記憶

 

そして響は1人歩を進め、気がつけば加音町の高台にある【調べの館】へ移動していた

誰もいない館の中には、ピアノ・レコードプレーヤー・そして足場の組まれた巨大な

パイプオルガンが響の目の前に広がっている。 そして響は1人ポツリと呟いた。

 

「ここでいつも歌ってたっけ・・」

 

それはまだ響が小学生の頃、この館でよくレコードプレーヤーを使い、流れる音楽を

聴いていた。楽しそうに音を聴いている響の横には‥同じく小学生の「奏」が一緒に

音を聴いていたのだ。そしてあの頃の2人は、いつもお互いに笑顔を向けていた・・

 

そんな昔の記憶を思い返しながら、響はピアノの鍵盤蓋を開き、1つの鍵盤を指で

押していた。昔はあんなに仲が良くて一番の友達だったのに、もう奏とは昔の関係に

戻れないのかな・・と、響は半ば諦めた表情で1人つぶやくのであった。

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響と奏の思い出の場所 調べの館

 

 

※Ellen

 

 響が感傷に浸っていると、突然「友達なんかいらないじゃん」という声が聴こえて

来た。驚いた響が周囲を見渡すと、パイプオルガンの近くに座っている女性が1人

居るではないか。そして彼女は 【エレン】 であると、自分から名を名乗った。

 

エレン‥ 一体何者だろう? 響がそう訝しがっていると、エレンは見透かした

態度で、本当は友達なんかいらないと思っている、と響の気持ちを決めつけた。

響はそう言われて、そんな悲しいことは考えてないと反論するが、エレンはこれを

 

嘘だと一蹴し、自分は人の心が見えるのだと不思議な事を言い出した。そしてエレンは

両手で三角の形を作り、その中心に響を当て始める。すると‥響の身体の中にうっすら

と浮かび上がる、ハートの形をした【ト音記号】をエレンは見逃さなかった。

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 突如響の前に現れたエレン

 

 

※敵襲

 

 不思議なト音記号を見つけたエレンは嬉しそうな顔をして、これが無ければ楽譜は

始まらないと意味不明なことを呟いた。一体この女性は何を言っているのか・・?

ますます訳が分からない響だが、エレンはあんたに関係ないと言いながら飛び降りる。

 

いきなり高い所から飛び降りたエレンを見て、響は思わず手を差し伸べたが・・・

次の瞬間、ピアノの屋根に降りてきたのは先程のエレンではなく黒い猫であった!

その猫は勿論、メイジャーランドからやって来た歌姫こと「セイレーン」である。

 

それを見た響は人間が猫になったことでパニックを起こし、急いで館から逃げ出し

始める。しかしセイレーンが跡を追いかけ、響が館を出たその前方にはこれまた

メイジャーランドからやってきた「トリオザマイナー」に進路を塞がれてしまう。

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人間が‥猫になった?!

 

 

※不可思議の連続

 

次から次へと起こる不可解な出来事に混乱する響。すると跡を追ってきたセイレーンは

慌てる響をなだめ、少し胸が痛むだけだから観念しろと変なことを言い出した。だが

今度は空から「だめだニャー!」という声と共に、妖精のハミィが飛び降りて来た。

 

今度は猫が空から降りてきて益々困惑する響。するとハミィは身体を響の方に向けて

「ハミィだニャ! 怪しいものじゃないニャ!」 と呑気に自己紹介を始める。

しかしどう見ても怪しい上に、追従してきたフェアリートーン達を見て響はもう何が

 

なんやらの気分である。それでもハミィは気にせず今度はフェアリートーン達を紹介

するが、セイレーンから何をしに来たのだと釘を差される。その上、音楽会でハミィが

モタモタしていたから伝説の楽譜が盗まれたのに‥と小馬鹿にするセイレーンであった

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変身する猫・空から降ってきた猫・変なの(フェアリートーン)に囲まれて頭の処理が追いつかない響

 

 

 ※似た者同士

 

普通ならここまで言われたら、落ち込んだり怒ったりするかもしれない。しかし

天然のハミィは「そんな悲しいことは忘れたニャ」とあっけらかんとした顔で言い

返した。セイレーンはそのポジティヴさに「どんだけ前向きなのよ!」と突っ込む。

 

そして話を元に戻し、自分の邪魔をせず猫はこたつで丸くなってな!と威勢を張る

セイレーン。しかしそっちも猫だとハミィに突っ込まれると、セイレーンは顔を赤らめ

「やかましいわ!」と言い返すのが精一杯であった。だがこの2匹のやり取りを見て

 

まるで自分と奏の喧嘩みたいだな・・と感じた響。すると偶然にも奏が調べの館に

やって来たではないか。お互いなぜこの場所に来たのか訪ねてみるが、響はそのこと

よりも、奏が持っている【レコード】に目を奪われるのであった。

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自分も猫だと痛いところを突かれて赤っ恥のセイレーン

 

 

※余計な一言

 

 そのことを響が突くと、奏は咄嗟にレコードを後ろに隠して事情を説明する。

自分の家にはレコードプレイヤーが無いので、時々聴きたくなったら調べの館に

足を運んでいたと語る奏。しかしそれに続く言葉こそが奏の本音に他ならない。

 

「(小学生時代の)昔みたいに・・ どうせ、響は覚えてないと思うけど」

 

そう、響と全く同じく奏も喧嘩をして落ち込んでは調べの館に足を運び、昔の

仲良かった過去を懐かしんでいたのだ。しかし悲しいがな、お互い自分の気持ちを

分かって欲しい感情が強く、いつも2人は最後に余計な一言を言ってしまうのだ。

 

結局、奏の言葉にカチンときた響は、本当は知っているのにそんなレコードは

知らないと強情を張ってしまう。その言葉に奏はショックを受け、響を「酷い!」と

責めるが、ギスギスした関係に疲れた響は「喧嘩はもう沢山だよ」と吐き捨てた。

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 思い出のレコード

 

 

※同期する2人

 

そしてまたもや繰り返される2人の口論、喧嘩になるのはレコードを覚えてないと

言った響のせいだと詰め寄る奏。と、ここでハミィが2人の仲裁に入り喧嘩は良くない

と諌めるが、後ろにいたセイレーンはもっと喧嘩をしろと2人を煽るのであった。

 

 すると奏は目を丸くして猫が急に喋り出したことにパニックを起こしてしまう。

ハミィは奏を落ち着かせる為に、怪しいものではないと主張するが、思いっきり

怪しいと奏に反論される。おや、これは響と全く同じリアクションだとハミィは驚き

 

2人は仲良しなのかと尋ねてみた。しかし響と奏は「全然!」と否定するが、ハミィは

2人の声が綺麗にハモったのを聞き逃さなかった。別にハモりたくないのに気が付けば

お互いハモってしまう‥ 腹立たしく思った2人はお互いを睨みつけるのであった。

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 不思議と声が揃ってしまう響と奏

 

 

※ハートのト音記号

 

その様子を眺めていたセイレーンは、奏の身体の中にもハートの形をした【ト音記号

があるのを発見する。これはラッキーと思ったセイレーンは2つまとめて奪うべく

響は自分が、奏はトリオザマイナーに任せて、2人のト音記号を奪おうと動き始めた。

 

危機を察知したハミィは「危ないニャ!」と声を上げるも、トリオは即座に奏を

取り囲んだ。それを見た響は心配したが、その隙を狙ってセイレーンは響に飛び

掛かって来た。更に響を心配した奏にもトリオの1人【バスドラ】の魔手が襲い掛かる

 

そして響はセイレーンに胸を突かれ、奏もバスドラに背中を突かれてしまった。

お互いの身体に入っているト音記号に手を伸ばすセイレーンとバスドラ‥

 

そして今まさに2人のト音記号に触れた その瞬間!

激しい電撃がト音記号から溢れだし、その衝撃でセイレーンとトリオザマイナーは

あっという間に吹き飛ばされてしまった。一体、何が起きたのだろうか・・?

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2人の持っているト音記号は不思議な力によって守られた

 

 

※邪悪に染まった音符

 

衝撃が収まると、その場に居た全員、何が起きたのか全く分からず呆然としていた。

ハミィはもしかしてこの2人は、特別な力を持っているのでは‥と推察したが、奏の

持っていたレコードにメイジャーランドから飛び散った【音符】の1つを発見した。

 

セイレーンも同時に音符を見つけるが「音符見っけ!」と、ハミィとセリフが被って

しまう。セイレーンは真似をするなと怒ったが、その隙にハミィはそそくさと音符を

取りにレコードへ駆け寄った。このままではハミィに最初の音符を取られると思った

 

セイレーンは、急に恐ろしい顔つきに代わり身体から邪悪な波動を放射しはじめる。

するとレコードに付いていた可愛らしい音符は、見るからに禍々しい顔つきに変貌して

奏の手元からレコードごと離れ始めたのだった。

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セイレーンの力により邪悪に染まった音符

 

 

※怪物現る

 

 そして空中に移動したレコードは、悪に染まった音符が湧き出す恐ろしい力によって

あっという間におぞましいレコードの怪物に変えられてしまった。この怪物の名は

【ネガトーン】と言い、セイレーンによって産み出された大型のモンスターである。

 

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その姿を見た奏は思わず「やめて!そのレコードは‥」と声を荒げる。それを聞いた

ハミィは何か思い入れがあるのか尋ねると、今度は代わりに響が口を開いて語り出す。

 

「あのレコードは‥私達、2人の思い出が詰まった大切なレコードよ!」 

 

 そう、響はレコードの事を勿論知っていたのだ。それを聞いた奏は思わず響の顔を

見つめ、響もまた奏の方を見つめてお互いの名前を呼び合った。そしてその瞬間

2人のハートのト音記号から、ドクンと鼓動が聴こえたのをハミィは聞き逃さなかった。

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 2人の気持ちが1つになったその瞬間、ハートのト音記号が胎動する。

 

 

※選ばれし者達

 

 やはりこの2人こそがアフロディテ様が言っていた「あの戦士」なのか・・!

そうハミィが驚いていると、ネガトーンはハイジャンプして響と奏の前に降り立った。

そしてセイレーンはネガトーンを操り、町に出て【悲しみのメロディ】を撒き散らして

 

こいと命令を下す。それを見ていた響と奏は、自分達の大切なレコードを恐ろしい

怪物にされたことを激しく怒り、声を揃えて「『絶対に許さない!』」と叫んだ。

 

 その瞬間、響と奏の胸元からハートのト音記号が強い光と共に姿を現した。

突然の出来事に2人は何が起きているのか戸惑っているが、眩しい光が収まると

2人の手元にハートの形をした不思議なアイテムが降りてくるのであった。

 

ハミィはその光景を見て確信する

この2人こそが、音楽を愛する伝説の戦士「プリキュア」であったことを・・

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 ハートの形をしたとても綺麗なアイテム

 

 

※町の平和と思い出の為に

 

このアイテムは【キュアモジューレ】という名前で、伝説の戦士プリキュアに変身する

為の大切なアイテムであった。 するとハミィは2人が落ち着く間も無く、音の妖精

フェアリートーンの【ドリー】と【レリー】を 響と奏の元に呼び寄せた。

 

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左がドリー 右がレリー 

 

更にハミィは2人がプリキュアに変身する為には、2人がバッチリ声を合わせて

レッツプレイ・プリキュアモジュレーション」と叫ばなければいけないと説明。

しかし2人はまだ状況が飲み込めず、一体何が起こっているのか困惑していた。

 

だが急がなければネガトーンが町を襲い、大変なことになってしまう。ハミィは

細かいことは後にして、とにかく今は言われた通り変身して欲しいと懇願した。

 

そう言われて2人は変身することを決意する。それは加音町を守るという理由も

当然ながら、怪物にされてしまった ”2人の大切なレコード” を絶対に取り返したいー

その強い想いが、2人がプリキュアになって戦う為の大きな原動力となった。

 

響「レコード取り返そう、奏」

奏「OK、響」

 

そして2人はキュアモジューレを空高く掲げるのであった。

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 覚悟を決めてプリキュアに変身する響と奏

 

 

※変身!スイートプリキュア(1)

 

2人がモジューレを空高く掲げると

響のモジューレにはドリーが、奏のモジューレにはレリーが入り込んだ。

そして2人が「レッツプレイ・プリキュアモジュレーション」と声を合わせると

 

モジューレに入ったフェアリートーンが身体を揺らし、中央の部分からハートの

ト音記号が現れる。それと同時に響と奏の身体にプリキュアの衣装が次々と装着され

響はマゼンダを基調とした服装に、奏は白を基調とした服装にそれぞれ変わっていく。

 

更に響の髪は今以上に長く伸びて、その色もピンクに変わり、頭には赤紫色のリボンが

付いたカチューシャを載せた。そして今度は奏の髪も長く伸びて、色は鮮やかな金髪に

変わりこちらもまた、頭に白いリボンの付いたカチューシャを載せるのであった。

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プリキュアに変身していく響と奏

 

 

※変身!スイートプリキュア(2)

 

 それから2人がお互いの手を近づけると、響の足元には赤紫色のハイソックスと同色の

ショートブーツが現れ、奏の足元には純白のロングブーツが装着される。更にお互いの

身体を併せると耳元にハートのピアスが出現し、息の合った動きで見事なシンクロを

決める響と奏。そして最後に、変身した自分の新しい名前を堂々と名乗るのであった。

 

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  「爪弾くは荒ぶる調べ! キュアメロディ!」

 

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  「爪弾くは嫋やかな調べ! キュアリズム!」

 

     

            届け! 2人の組曲

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             スイートプリキュア       

 

 

遂に伝説の戦士・プリキュアに変身した響と奏。

これから始まる2人の新しい【組曲(Suite)】が今まさに幕を開けたのであった‥

 

 

~第2話に続く~

 

                            

 

※あとがき※

 

えぇーと、初めての方は初めまして。久しぶりの方はお久しぶりです。

2014年の8月から始めたこのブログですが、無事に最終回まで書き終える

ことが出来ました。しかし最終回のあとがきにも書いた通り自分のブログを見返して

 

見ると、序盤を適当に説明不足のまま書き上げてしまい、どうしてもそれが終わって

からも心残りだったのです。特にこの第一話という肝心要の回を自分は適当極まりなく

書いてしまい、しっかり書いた最終回と比べたら余りにも貧相な駄文に見えたのです。

 

そういう訳で今回(2015/10/9) 思い切って第1話の全てを書き直しました。

以前の1話より文章の内容を変えた結果、凄いことに12,000文字を超えましたが

まぁ大事な初回ですので、これくらい書いても損はないというものです。

 

とにかくこの第一話を皮切りに、スイートプリキュアという素晴らしい作品に

興味を持って貰えたら、陰ながら密かに応援し続ける私にとっても嬉しい限りです。

 

それではまた~ (^ω^)ノシ